いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう 毎週月曜 夜9時 Every Monday 9:00P.M.

中條晴太役 坂口健太郎 連載 vol.04 晴太通信 中條晴太役を演じる坂口健太郎さんが、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」について様々なテーマをもとに、自身の思いを語ります。

音と練 2016.2.18 update

音や練が、有村架純さんや高良健吾さんの芝居を待っていた

坂元裕二さんが当て書きした音(有村架純)ちゃんや練(高良健吾)くんを見ていると、一番本人の色が強く出ているような気がしました。ヘンな言い方をすると、音や練が、有村架純さんや高良健吾さんの芝居を待っていた、というか…。台本を読んだときも、いざ現場に立って動いてみたときもそれは凄く感じました。カットがかかって素に戻る瞬間も音に見えるし、練に見えるんです。そう感じるのは不思議なことでもあるんですけど、「音は架純ちゃん、架純ちゃんは音なんだな」「練は高良くん、高良くんは練なんだな」と自然にそう思えるというか。撮影はもう終盤ですけど、その感覚は多分最初からずっと感じながら僕も演じてきたと思います。

当て書きっていうのは演じる側にとってとても嬉しいことですけど、同時に難しいことでもあると思うんです。多分、その人のリアルを描くというより、坂元さんの中でその役者さんを作品にはめ込んでのリアル、なんじゃないかと思うんです。僕も晴太というキャラクターを当て書きしていただいていますが、晴太とは似ているようでやっぱり違うし…。でも、なんて言うのかな…パラレルワールドじゃないですけど、こういう坂口健太郎もいてもおかしくない、というか。その感覚は台本を読んでいても凄く面白いです。最初のころは、なかなか晴太自身のことがわからなかったので、そこから膨らませようとするといろんな晴太が僕の中に生まれたんです。だから、「どの晴太が一番良いところに落ち着くのかな?」と思っていたんですけど、いざ現場に立つと、自然とそれが出てくるような感覚がありました。