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(3月16日)
【首都スポ】大学サッカー 明大主将の服部 狙うは3冠 一丸メイジ2016年3月25日 紙面から
第90回関東大学サッカーリーグ戦(東京中日スポーツ後援)がいよいよ来週末、開幕を迎える。1部リーグ昨季上位校の新主将たちに今季の抱負を連載で聞いていく、「リーダー蹴春トーク2016」。第5回となる今回は明大GK服部一輝(3年・札幌大谷)が語る。ポジションをつかんで試合に出場するようになったのは昨季第9節からという遅咲きの守護神は、6年ぶりのリーグ制覇に自信を見せる。ここ5年間ずっと2位か3位に甘んじてきたチームは、DF室屋成(FC東京)やFW和泉竜司(名古屋)らが抜けた穴を埋め、頂点へとたどり着けるのか? (取材・構成、関孝伸) −服部選手は主将キャラだったのですね 服部「明治は昔から学年ごとのミーティングを毎週やっています。そういうのって、試合に出ている人が仕切った方が周りがついていきやすいと思うんですけど、1、2年のときの僕は仕切っていませんでした。試合にまだ出ていませんでしたから。でも、試合に出始めた去年(3年時)から仕切るようになって、それ以降に主将キャラが徐々にできていった感じです。主将をやるのは小6のとき以来です」 −どのようにチームを引っ張っていこうと考えていますか 「去年まではチームの状態が悪くて雰囲気が良くないときなどに話し合いをすることが少なかったんですけど、僕はそこを改善するべきだと考えています。あとは、オフ明けの練習のときとかにフワッとした緩い雰囲気で入らないように、厳しさを求めて、常に引き締めていきます」 −今年は昨年のチームから主力がごっそりと抜けました 「今年は絶対的な存在がいないからこそ、話し合ったり、要求し合ったりを多くして、チーム全体のレベルを上げていく必要があります。極端に言うと、去年はうまい人たちの要求に対して、それ以外の選手が『はい、そうします』と応えていました。個に頼って、話し合いや要求をし合ったりすることが少なかったんです。すごい選手はすごいんですけど、サブ組とかとは差があって、全体の底上げができませんでした。底上げができれば、いい選手がどんどんと出てくると思います」 −話し合いや要求のし合いを多くするためにまず必要なことは何でしょうか 「一人一人が考える力や試合の流れを読む力を持つことです。みんながそうなれば、試合中でも、ああした方がいい、こうした方がいいと話し合えるようになると思うんです。去年の関学(大学4冠)がそうで、試合中にみんなでしっかりと考えて話し合っていました。会話が僕たち対戦相手に聞こえてきていました。そうなるためには、練習中から厳しく要求し合える環境をつくらなければなりません。今年の明治のチームが立ち上がってからは、何でそのプレーをするのか、何でそのプレーを求められるのかを常に考えながらやっていこうと、ずっと言い続けています。考えることの習慣づけです」 −そのための工夫を何かしていますか 「ミーティングの回数を増やしていて、それをただ単にやるだけにはならないように工夫しています。練習試合が終わった後には出た選手でまとまって話し合いをして、そのまとめを次の全体ミーティングで発表するんですけど、自信なさそうにしている下級生の選手たちに、その発表を急にさせたりするんです。みんなの前で突然発表しなければならないとなると、ちゃんと考えていないとできないので、その状況を想定して、日頃から考えるようになると思うんです」 −個に頼らずに全員が一つにまとまるのだという意気込みをチームスローガンに表しました 「気持ちを一つにしなければいけないという思いを込めて、『一心』というスローガンを掲げました」 −最近の明大は“惜しかった”の連続です。関東大学1部リーグで言うと、ここ5年間で2位が4回、3位が1回と、いつもあと一歩のところで優勝を逃し続けています 「僕たちの学年は、グループに分かれてしまったりすることとかが全然ないんです。みんなとても仲がいいので、その僕たちが最後の年に優勝をという思いはすごく強いものがあります。選手全員が90分間考えることを毎試合続けられれば、少なくとも負けないでしょうし、優勝できると信じています。開幕前の現時点での状況で言うと、考えたプレーが去年よりも圧倒的に増えています。守備のクオリティーは去年よりも高いですし、攻撃のバリエーションも増しています」 −明大は守備が基本のチームです。勝つためには、服部選手のキーパーとしての仕事ぶりも重要になります 「1−0で勝つ試合を目指していきます。無失点を狙う上では、シュートをとにかく止めるという初心に帰ります。リーグ戦にデビューした去年の最初の時期はそうでした。でも、試合に出続けるにあたって、進化しなくちゃいけないと思ったんです。それで、パスもつなげるキーパーになろうとして、その思いが結果的に悪い方に出てしまったことがありました。僕のもともとの売りはシュートストップとコーチングです。変に色気づかずに、ストロングポイントをどう生かすかというところに集中します。3冠(関東大学リーグ、総理大臣杯全日本大学トーナメント、全日本大学選手権)を狙います。今年の明治はやりますよ」 <服部一輝(はっとり・かずき)> 1995(平成7)年3月16日生まれの21歳。東京都出身。182センチ、76キロ。杉並区立富士見丘小4年のときに富士見丘少年蹴球団でサッカーを始めた。FC東京U−15むさしから札幌大谷高(北海道)へ。同高3年時に全国高校総体に出場したが、1回戦で敗れた。明大では昨季途中からレギュラーに。関東大学選抜Aのメンバーとして先のデンソーカップチャレンジに参加し、そこでも主将を務めた。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中 PR情報
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