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【大相撲】

白鵬が1敗死守で単独トップ 逆転優勝に前進

2016年3月25日 紙面から

◇春場所<12日目>

豪栄道を下し気迫の表情で懸賞金を受け取る白鵬(布藤哲矢撮影)

写真

(24日・エディオン アリーナ大阪)

 “秒殺”でただ一人1敗キープ−。横綱白鵬(31)=宮城野=が1敗同士の対戦で大関豪栄道(29)=境川=を押し出した。同じく1敗の大関稀勢の里(29)=田子ノ浦=が横綱日馬富士にはたき込まれたため白鵬が今場所初めて単独トップに立った。2敗は稀勢の里、豪栄道、妙義龍(29)=境川=の3人。大関照ノ富士(24)=伊勢ケ浜=は横綱鶴竜を上手投げで破って勝ち越し、初のかど番を脱した。大関琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=は連敗を3で止め、勝ち越しを決めた。

      ◇

 白鵬が戦っていたのは、豪栄道だけじゃない。午前8時15分に札止めとなった会場が、一丸となって「ゴウ! エイ! ドー!」。地元の大関に会場が揺れるほどのコールが起こる。

 いつもは淡々と仕切る白鵬が珍しく豪栄道ににじり寄ると、ギッとにらみつけた。土俵に充満する気迫。それが立ち合いに込められた。

 左から張って右からかち上げ。11日目の稀勢の里戦に続き、今場所すでに6度目となるこの立ち合い。相手より後に立ちながら、先手を奪うという「後の先」を理想に掲げるが、今場所は言ってみれば“先の先”。豪栄道に何もさせずわずか2秒で押し出した。

 八角理事長(元横綱北勝海)も「(大関との違いは)立ち合いの厳しさだよね。この一番にかけるというかね」とうなった。

 勝ち残りの土俵下。今場所初の単独トップに立ったことを見届けて支度部屋に戻ると、「元気いっぱいの大関を一気に持っていけて、気持ちいい。満足であります」と胸を張った。

 「豪栄道コール」については「気持ちいいものではないけど、認められているというのはある」と余裕で受け流す。7378人の観衆も一緒に押し出したくらいの感覚だろう。

 優勝に絡む大関を2日連続で退けた。場所前にこう話していた。「強い人が大関になって、(加えて)運命、宿命、天命を持った人が横綱になると、ある人が言っていました」。早ければ14日目にも4場所ぶり36回目の優勝が決まる。「(遠ざかっていることが優勝への意欲に)関係なくはないけど、まあどこかにしまっておく」と結果で横綱の違いを証明してみせる。 (岸本隆)

 

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