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【サッカー】

モタモタ日本代表新布陣 結果は5発圧勝

2016年3月25日 紙面から

◇W杯アジア2次予選 日本5−0アフガニスタン

前半、柏木(左)と長友(5)を呼び寄せて指示を出すハリルホジッチ監督(岩本旭人撮影)

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 サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア2次予選は24日、埼玉スタジアム(さいたま市)などで行われ、E組の日本は5−0でアフガニスタンを下し、通算6勝1分け(勝ち点19)で同組首位をキープした。日本は4−4−2の新布陣がもうひとつ機能しなかったが、前半43分にFW岡崎慎司(29)=レスター=のゴールで先制。後半に入って、MF清武弘嗣(26)=ハノーバー=らが追加点を挙げ、結果だけを見れば快勝だった。日本は29日に同組2位のシリアと対戦し、2次予選を終える。

      ◇

 埼玉の夜空にハリルホジッチ監督の叫び声が何度も響いた。

 「グラウンダーのクロスを入れろ!!」「もっとプレースピードを上げろ!!」−。

 絶え間なく指示を出し続け、シュートが外れる度に頭を抱える。ホームで圧倒的に攻めながら、先制点は前半43分。結局5発圧勝となったが、内心は決して穏やかではなかった。試合後の記者会見では「みなさんと同じでシンガポール戦が頭をよぎった」と、ホームで格下相手にスコアレスドローに終わった6月の予選初戦を引き合いに出して苦笑した。

 9月のアウェー戦で6−0で大勝した相手だからこそ、大胆なテストを敢行した。それが、1ボランチにするなど、中盤の4人をダイヤモンド型に配した超攻撃的な4−4−2だ。これまでの4−3−3布陣とは異なり、両サイドバックがFW近くまで高い位置を取るなど事実上7人で相手を押し込む形、引いて守りを固める相手をこじ開けるための強攻策だ。当然、最終予選でも格下との試合はあり、ビハインドの状況でも利用価値がある。

 ただ、選手の反応は微妙だった。前半28分には相手の治療の際に11人全員がピッチ中央に集まり修正点を言い合う場面も。DF長友は「強豪相手ではカウンターのリスクがある。僕は厳しいと思う」とはっきり口にし、MF清武も「強い相手にはやり方が変わってくる」と改良の余地があることを強調した。

 ハリルホジッチ監督も「選手が疑問を抱き始めるんじゃないかという心配はあった。本田も準備していたし、そういう交代も考えていた」とテスト中断も検討していた。それでも「新しいやり方は、バルセロナでさえ1回目で理想の形にはならない。私たちのアイデアがどうだったのか、もっと先にならないと分からない」と今後も状況に応じてではあるが、同じ布陣を使うことを示唆した。強化の第2段階に入ったロシアへ続く道だが、まだ真っすぐ、平たんではない。 (宮崎厚志)

 

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