個人の金融資産残高 過去最高の1740兆円に

去年の年末の時点で、個人が保有する預金や株式など金融資産の残高は1740兆円に上り、過去最高を更新しましたが、日銀では消費への支出が減った影響で、現金や預金が増えたためだと分析しています。
日銀が発表した「資金循環統計」によりますと、去年12月末時点で個人が保有している預金や保険、投資信託などの金融資産の残高は、1740兆8663億円でした。
これは、前の年の同じ時期より1.7%の増加で、統計が比較できる平成17年以降では最高となりました。
金融資産の内訳は、「現金・預金」が最も多く、前の年の同じ時期より1.3%増えて901兆6887億円となったほか、「株式など」が2.9%増えて168兆7147億円となりました。
また、「投資信託」は96兆2683億円で前の年の同じ時期より4.1%増えました。
個人の金融資産が増加した理由について日銀は、物やサービスの購入を減らした家庭が多く、その分、現金や預金が増えたことや低金利が続くなか、資産を増やそうと投資信託を購入する家庭が増えているのではないかとみています。
一方、個人の負債では、住宅ローンの借り入れの残高が前の年の同じ時期より1.4%増えて、過去最高の200兆384億円と初めて200兆円を超え、低金利の影響で借り入れも増えていることがうかがえます。