改革ありき、日程ありきで進むべきではない。 大学入試センター試験にか…[続きを読む]
演歌の北島三郎さんが「はるばる来たぜ」と歌った函館まで、東京から4時間…
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演歌の北島三郎さんが「はるばる来たぜ」と歌った函館まで、東京から4時間半。北海道新幹線がきょう開業する。北海道から九州まで、列島が高速鉄道でつながる時代を迎えた。
とはいえ、経済効果については厳しい予測が並ぶ。
九州や北陸などと並び、整備新幹線として計画されたのは73年。今回結ばれる新青森―新函館北斗駅間は、いまや人口減社会の最先端をいく地域だ。初年度から約50億円の赤字が見込まれている。
青函トンネル内での最高速度は抑えられ、鉄道が飛行機より優位になるとされる「4時間の壁」は越えられなかった。地元では、函館市中心部まで18キロという新駅の立地などへの不満もくすぶる。北陸新幹線で観光客増に沸く金沢のような光景は期待できず、開業ブームどころか不協和音の中での出発だ。
だが、多額の税金をつぎ込んで建設した新幹線だ。どうしたら地域振興に役立てられるのか。そして採算のとれる路線に変えていけるのか。官民あげての工夫が必要だ。
運行を託されたJR北海道は、一日の乗降客が10人以下のローカル駅が3割を占め、管内の全線区が赤字だ。その上に新幹線の業務を背負うJRだけに努力を求めても限界がある。
東京までを結ぶ時間の短さだけを競えば、北海道新幹線は飛行機に勝ち目がない。だが点と点を結ぶ飛行機に対し、都市を線でつなぐのが鉄道の長所だ。
たとえば新函館から仙台までなら2時間半で着くようになる。埼玉県の大宮までなら3時間40分。在来線で札幌に行くのとほぼ同じ時間だ。
函館から見て、札幌か東京か、という地元の発想を少し変えれば、地図は広がる。東北や北関東との連携を進めて、訪日外国人客の周遊など新たな交流の創出に生かしてほしい。
函館の経済人らは鹿児島などを視察し、開業の教訓を学んできた。「駅前を立派にすることを目的にしてはいけない」「あるものを生かし、市民が街を好きになれることが大切」。地方創生の大事なヒントだろう。
JR北海道が忘れてはならないのは、安全運行の徹底だ。脱線事故やレール検査数値の改ざんなどで、ずさんな企業風土が明らかになり、14年に国から監督命令を受けた。
いまは2600億円を投じた改善計画の途上だが、新幹線の赤字がかさめば、コスト削減へ過度な圧力が高まらないか心配だ。安全をないがしろにすることは絶対にあってはならない。
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