北朝鮮 韓国系米国人さらに1人拘束

北朝鮮に入国したアメリカ人などを「敵対行為を働いた」として相次いで拘束している北朝鮮は、25日新たに韓国系アメリカ人とされる男性1人の拘束を発表し、アメリカと韓国が合同軍事演習を行っているタイミングでの発表で、アメリカに揺さぶりをかけるねらいがあるとみられます。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信は25日、「敵対行為を働いて拘束された在米同胞がピョンヤンで記者会見を開いた」と伝え、韓国系アメリカ人とされる男性が拘束されていることを明らかにしました。
拘束されたのはキム・ドンチョル氏(62)で、去年10月に北朝鮮北東部のラソン(羅先)経済特区で軍事機密が入ったUSBメモリーや文書などを協力者から受け取ろうとしたところを拘束されたとしていて、会見でキム氏は謝罪したとしています。
キム氏はことし1月にピョンヤンでアメリカのCNNテレビの取材を受けていて、拘束されていると伝えられていました。
北朝鮮はこれまでにも「敵対行為を働いた」などとして、キム氏のほかにアメリカ人1人、韓国人3人、韓国系カナダ人1人を拘束していて、北朝鮮が現在、拘束を明らかにしているのは合わせて6人になりました。
北朝鮮としては、アメリカと韓国が合同軍事演習を行っているタイミングでの発表で、アメリカに揺さぶりをかけるねらいがあるとみられます。