ぬいぐるみを丁寧に修理する「ぬいぐるみ病院」が、素晴らしいサービスだとTwitter上で注目を集めています。
「ぬいぐるみ病院」は、株式会社こころが運営する、ぬいぐるみの修理・クリーニングサービス。ただのお直しではなく、「ぬいぐるみを患者として病院に迎えいれる」というコンセプトで運営しています。
ぬいぐるみ病院 / Via nuigurumi-hospital.jp
いのの先生(執刀医)が内科診察を行う様子。
入院したぬいぐるみは診察を受け、ベッドに寝かされ、退院後はお薬(綿)が処方されるというこの病院。
あまりの徹底ぶりが話題を呼んでいますが、なぜこのような運営方法になったのでしょうか? 代表取締役の堀口こみちさんにお話を伺いました。
病院内のようす ぬいぐるみ病院 / Via nuigurumi-hospital.jp
——「修理」ではなく「病院」として運営したのはなぜですか?
依頼されるお客さまは、ぬいぐるみを「我が子」のように思っている方がほとんどです。30年、40年一緒に暮らしていたり、子供ができなかった夫婦がぬいぐるみを家族として迎え入れることもあります。そういう方は、知らない場所に預けるだけで心配するんです。なので「患者」さまとして受け入れ、丁寧に診療するようにしています。
ぬいぐるみ病院の外科にかかったひつじさん。ふわふわになってる! ぬいぐるみ病院 / Via nuigurumi-hospital.jp
——10cmのぬいぐるみでも、2000円以上かかるコースが人気だと聞きました。買い換えた方が安いのでは?
確かに買い換えた方が安い場合もあります。でも、愛着があるぬいぐるみは「買い換える」というわけにはいきません。自分の子どもに対して「また産めばいい」なんて思いませんよね。それと一緒です。
リハビリテーション科にかかったうさぎさん。ゆったりお風呂につかり、長年の皮膚の汚れを落とします。 ぬいぐるい病院 / Via nuigurumi-hospital.jp
——ユーザーからの反応はどうですか?
アンケートで一番喜ばれるのは、診療過程をメールでお送りするサービスです。まず到着したら、写真とともに報告します。2〜3週間の入院中も、経過報告を連絡するんです。依頼した方は、遠くに離れるだけで心配するので、こうした連絡はとても喜ばれています。
正式名称は「ぬいぐるみ健康法人 もふもふ会 フモフモランド ぬいぐるみ病院」。院長の盛富小路(もふのこうじ)けろーにょさん ぬいぐるみ病院 / Via nuigurumi-hospital.jp
処方されるおくすり(キャンディー) ぬいぐるみ病院 / Via nuigurumi-hospital.jp
———月の来院者数は?
30人ぐらいでしょうか。あまり多くなるとケアできないので、予約制です。
病院の談話室の様子。患者さん同士での交流もあるそうです。 ぬいぐるみ病院 / Via nuigurumi-hospital.jp
——どのくらいの頻度で入院させてあげた方がいいですか?
頻繁にお腹をあけることは好ましくないので、汚れ具合にもよります。あまりにも綿が少なくなったとか、ほつれが出たりとか。気になりだしたら来院していただく程度でかまいません。
退院したぬいぐるみ。「祝退院」のシールと「がんばってオペを受けてきたよ。これからもずっとよろしくね」というメモが貼ってある。 ぬいぐるみ病院 / Via nuigurumi-hospital.jp
現在、ぬいぐるみ病院は3人で運営しているそう。「今後は受診票を作ったり、難しい治療も行えるよう技術向上に努めます」とのこと。堀口さんの語り口からは、並々ならないぬいぐるみ愛を感じました。