米金融大手JPモルガンのデリバティブ分析責任者、マルコ・コラノビック氏は20日、米経済専門局CNBCに出演し、「最近金相場が上昇しているが、まだ上昇余地がある」と述べ、金を有望な投資先として挙げた。ドル安が金相場の上昇につながるとの予想だ。コラノビック氏は「米連邦準備理事会(FRB)のハト派的な態度がドル安を招くとみられ、金相場の下支え要因になる」と指摘した。
コラノビック氏は今年2月にも金価格の上昇を予想したが、実際に金はその後、約8%上昇した。ブルームバーグ電によると、資産運用会社スティーブンソン・アンド・カンパニーのジョン・スティーブンソン最高経営責任者(CEO)も「金相場の上昇は続くとみられる。世界経済の成長鈍化を解決する明確な方策があるとは考えられないからだ」と述べた。
「投資の鬼才」と呼ばれるロジャーズ・ホールディングスのジム・ロジャーズ会長は円買いに否定的な立場を示し、自らのブログで「日本円を一時保有していたが、数日前に売却した。円投資から手を引いた。米ドルのように安全な投資先ではない」と指摘した。
ロジャーズ氏はまた、「円は発行過剰だ。日銀は円を無制限に刷ろうとしている」と警告した。日銀が景気浮揚に向け、円資金を市場に大量供給しているが、そうした緩和的な通貨政策が円安につながるため、投資価値が損なわれるとの指摘だ。ロジャーズ氏は今月8日にも「今後投資家はドルに逃避するはずだ。円とポンドは買わないだろう」と発言している。