特許訴訟で後発医薬品の販売認めない判決 知財高裁

大手製薬会社「中外製薬」が特許権を巡って後発医薬品のメーカーなどを訴えた裁判で、知的財産高等裁判所は、新しい技術を使った特許は広い範囲で保護されるという初めての判断を示し、後発医薬品を販売しないよう命じる判決を言い渡しました。
「中外製薬」は、自社が開発した軟こうと似た製法の後発医薬品に特許権を侵害されたとして、メーカーの「岩城製薬」、「高田製薬」、「ポーラファルマ」、それに原料を提供している「DKSHジャパン」の4社に、後発医薬品を販売しないよう求める裁判を起こしました。
1審の東京地方裁判所は、実質的に製法が同じだとして販売しないよう命じる判決を言い渡し、4社が控訴していました。
2審の知的財産高等裁判所は裁判官5人による「大合議」で審理を行い、25日の判決で設樂隆一裁判長は、従来にない新しい技術を使った特許は、広い範囲で保護されるという初めての判断を示しました。
そのうえで、4社が扱っている後発医薬品の製法は、中外製薬の特許権の範囲に含まれるとして、1審に続いて販売しないよう命じました。
25日の判決は医薬品の品質向上に貢献する技術については手厚く保護しようとするもので、後発医薬品の開発に影響する可能性もあります。

判決について「中外製薬」は「裁判所の適切かつ公平な判断と認識しております」とコメントしています。
一方、「岩城製薬」、「高田製薬」、それに「ポーラファルマ」は「到底容認できず、判決の内容を検討したうえで対応を考えたい」とコメントしています。また「DKSHジャパン」は「判決を精査していないので、現時点でのコメントは差し控えます」としています。