私は、リアルファーは不買いです。
冬になると街中に溢れるリアルファーを見るのもとても辛い。
でもね。
リアルファー反対デモは、それ以上に大嫌い。
人として許せないレベルで。
でね、どうしても反対運動するんだったら、いっそフェイクファー推しでいけば?
と思って書いた記事。
これが愛誤家さんの目に留まっちゃってさらされちゃって、若気の至りでつい応戦。
結果、聞く耳のない粘着さんに長文コメ連投されて
という流れを経験しています。
この件に関しては、言いたいことは書ききった!!と思ってて、もう書くまいと思っていたんだけど、最近ちょっと嬉しいことがあったので。
全然関係ないとこから入りますが、漫画雑誌『Kiss』。
EKiss 2016年4月号[2016年2月25日発売] [雑誌]
- 作者: 稚野鳥子,二ノ宮知子,有賀リエ,鈴木由美子,今日マチ子,東村アキコ,こやまゆかり,青色イリコ,久世番子,小沢真理,谷川史子,志村貴子,伊藤理佐,石田拓実,海野つなみ,ひうらさとる,小川彌生,柘植文,高須賀由枝,日向なつお,ともえ,小島慶子,ジュリアンルルー
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/02/25
- メディア: Kindle版
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なんだかんだで10年以上購読しています。
映画化された『海月姫』とか、ドラマ化やアニメ化された『白鳥麗子でございます!』『のだめカンタービレ』『銀色のスプーン』『ホタルノヒカリ』、そして今ちょっと話題になってる『東京タラレバ娘』なんかが連載されてる、知る人ぞ知る雑誌。
レディコミじゃないよ!!
でね。
そのなかでも、私はこやまゆかりさんの描く漫画を昔から読んでて。
まぁドロドロしてたりしてなかったり、性悪女が出てきたり不倫したりしなかったり。
そんなこやまさんの今の連載『バラ色の聖戦』。
これ、何年か前にドラマ化もした作品なんです。
吹石一恵さんの主演で。
主婦が、旦那を見返すためにダイエット頑張ってモデルになって、とうとうパリコレいくかも?でも性悪女のライバルが!!っていうシンデレラストーリー。
これもまたほどよいドロドロ感が好きな作品。
でねでね。
前置きが長くなったけど
主人公がパリコレ行くためのオーディションを受けるんだけどね。
そのブランドが、少し前までファー製品を主戦力で扱ってたのに、デザイナーさんがペットを飼ったのをきっかけに、ファー生産の残酷性に気づいて、ノーファーブランドへ転換していくことが、オーディションの直前に明らかになって。
で、それを知った性悪ライバルは、ファーじゃなくてパールでオーディションに挑むんだけど、主人公は、あえて、フェイクファー!!
それもリアルファーの産毛まで再現した、1本1本の毛の太さまで異なる、もう本物と見違えるほどのフェイクファー。
そのフェイクファーを、主人公はその技術を持った小さな町工場に、特注で無理言って作ってもらうんだけど
そのときのセリフが
動物の命を守る、このファーだからこそ、意味があるんです
そしてオーディションでそのファーを見て、デザイナーさんが言ったセリフ
調べてもらった通り『クロンヌ』はもう毛皮を扱うことはやめたの。
それまで知らなかったの。
毛皮を作るために、中にはひどい殺され方をする動物たちがいることを…
事実を知って衝撃を受けた。
でも、本当はファーが大好きなの。
あんなに優雅でオーラを放つものはない。
使うことはやめたけど、本当に悲しくて葛藤してたの。
うちはこれから多田野繊維(フェイクファーを作った町工場)と取引きするつもりよ!
パリコレで発表する衣装にも使うつもり!
世界中が注目するわ!
きっと、作者のこやまゆかりさんも、モデルが主人公の漫画を描いたことで、リアルファーの事実を知ったんだと思う。
そしてこんな形で、作品の中で訴えたんだと思う。
1年?2年?くらい前かな?
作品の中でファーのついた服が出てきたんだけど、そのときは、その服を汚されて、このファーは洗濯できないとかなんとかかんとか言ってて、読んだとき、あ、この作者さんファーのこと知らないんだなって思った覚えがあるから、知ったのはきっとその後。
ファーって可愛いんだよねやっぱり。
ふわふわで。
だから、そんな可愛いファーを『動物のため』って我慢するのって、やっぱり、受け入れられる人と、そうでない人がいる。
万人が動物大好き人間じゃないんだから。
服をつくるための動物なんて別にどうでもいいって価値観だってあるんだから。
それを責めるのもちょっと違う話で。
だったら
せっかくの技術を生かして、本物と変わらない品質のフェイクファーを推していけばいいと思う。
やっぱりそうだよ。
品質が同じなら、動物を殺して作ったリアルファーより、人工繊維でつくったフェイクファーの方が、きっと受け入れられるはず。
冠婚葬祭で革製品やファー小物がマナー違反なのは、殺生を連想するからって、多くの人が知ってるように、ファーは、動物を殺して作ってるって、デモなんてしなくたって本当はみんな知ってるんだから。
愛誤家さんの中には『フェイクファーって本物と見分けがつかなくて紛らわしいからやめてほしい』とか『フェイクだかリアルだかわかんないけどとりあえずにらんでおいた』とか、わけわかんないこと言ってる人もいるけど。
本物と見分けがつかないほどフェイクファーの技術が発達するって素晴らしいことなのにね。
私今まで、リアルファーと勘違いされるのが嫌で、フェイクファーも避けてたんだけど、これからは堂々と着ようかなぁ。
まぁ今年は季節終わっちゃったから、次の冬に。
とにかく。
こんな弱小ブログじゃなくて、作品がドラマ化するような影響力のある人気漫画家さんが、リアルファーとフェイクファーのことを作中で描いたのは本当に嬉しかった。
実は先月号からこの流れはあって、ドキドキしてたんです。
(先月号では、オーディションでファーのことを指摘されて、主人公が『実はこれはファーではないのです!』って言い返したとこで終わってたから。これはもしや?って)
で、今日、今月号の発売日で、買って真っ先に読んで、鳥肌立ちました。
作品の中には、狭いオリに閉じ込められた動物や、殺された動物の描写(イラストだけど、ちゃんと布をかぶせて見えないように配慮がしてあります)もほんの少しあったから、作者のこやまゆかりさんもきっと、調べていく中で、衝撃的な画像をたくさん見たんだと思う。
受け入れられる伝え方ってあるよね。
って改めて思ったKiss今月号。
次の冬はふわふわのフェイクファーを楽しもうかな。
っていう毒も棘もないつぶやき。
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おまけ☆こやまゆかりさんのおすすめ漫画
どれもほどよいドロドロ感と先が読めない感と性悪女へのイライラが癖になります。
『1/2の林檎』
いい感じの性悪女が出てきます。
『スイート10』
不倫とかレスとかいろいろ。
『バラ色の聖戦』
連載中。性悪女とか離婚とかいじめとか盛りだくさん。
個人的に1番オススメなのは、『スイート10』。
家庭にも旦那にも何の不満もない主婦が、かっこいい色男にはまっちゃって、つい純愛しちゃうの。最後、旦那さんにバレるか?バレたか?別れるのか?別れないのか?な、先の展開が読めないスリルが傑作。