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 運動会などの組み体操で相次ぐ事故を受け、スポーツ庁は25日、事故につながる可能性がある技については「確実に安全な状態でできるかを確認し、できないと判断される場合は実施を見合わせる」などとする通知を各都道府県の教育委員会などに出した。危険性が指摘される「タワー」や「ピラミッド」の全面禁止や段数制限には踏み込まず、実施の判断は各自治体や学校に委ねたものの、安全確保を強く求めたことで今後、自粛の動きが広がる可能性がある。

 馳浩文部科学相は25日、閣議後の会見で「校長、教育長には(組み体操が)学習指導要領に明記されていないがゆえに、より一層の緊張感を持って取り組んでいただきたい。万が一のことが起きた時、子どもや保護者に対し、どういう責任を取れるんですかと申し上げたい」と述べた。

 同時に馳文科相は「組み体操には非常に高い教育的価値はあると評価したい。禁止するための通知ではない」とも述べた。文科相には首長や教育長を飛び越えて命令する権限はなく、段数の目安についても、スポーツ庁学校体育室の担当者は「事故は様々な状況で起きており、何段までなら大丈夫と(段数制限で)線が引けるものではない。実施が可能かどうかは現場で、目の前の子どもたちの習熟状況で判断すべきだ」とした。