ＡＤＢ＝アジア開発銀行の中尾武彦総裁は、都内で行われた記者会見で、中国が設立を主導したＡＩＩＢ＝アジアインフラ投資銀行との間で初めての協調融資に向け、手続きを進めていることを明らかにしました。

この中で中尾総裁は、アジアのインフラ建設を支援するために中国が主導してことし１月に開業したＡＩＩＢについて、「ＡＤＢとＡＩＩＢはそれぞれ重視する点は異なるが補完し合うことができる。インフラ需要が拡大するなか、協調融資が重要な手段となる」と述べました。そのうえで、「いくつかの案件について手続きを取ろうとしている。ＡＩＩＢがことしの第２四半期に行いたいとしているプロジェクトの中に、協調融資の案件も含まれるという前提で動いている」と述べ、ＡＤＢとＡＩＩＢの初めての協調融資をことし６月にも承認することを目指し、両行で手続きを進めていることを明らかにしました。
また、中尾総裁は「中国経済の今後はアジア全体の経済情勢や資源価格に影響を与えるので重要なテーマだ」と述べ、ことし５月にドイツで開かれるアジア開発銀行の総会の中で中国経済の動向についても議論されるという見通しを示しました。