MLBが17年ぶりにキューバ訪れ親善試合

アメリカとキューバの国交回復を記念して、キューバの首都ハバナで22日、オバマ大統領とラウル・カストロ国家評議会議長が観戦するなか、大リーグのレイズとキューバ代表の親善試合が行われました。
この親善試合は、去年7月にアメリカとキューバの国交が回復したことを受けて開催が決まり、キューバに近いフロリダ半島に本拠地を置くレイズが、大リーグの球団として17年ぶりにキューバを訪れました。
ハバナの国立競技場には5万人の市民が招待され、アメリカの大統領として88年ぶりにキューバを訪問したオバマ大統領と、カストロ国家評議会議長も観戦に訪れ、オバマ大統領が観衆に向かって手を振ると、大きな歓声と拍手が起きました。
試合前、両国の国歌が斉唱されたあとには、バックスクリーンから平和を象徴する白いハトの群れが放たれる演出もあり、試合は友好的な雰囲気のなかで始まりました.試合はレイズが4回のツーランホームランなどでリードし、地元の大声援を受けたキューバ代表も一矢報いましたが、レイズが4対1で勝ちました。試合後、両チームの選手たちはグラウンド上でユニフォームを交換して、お互いの健闘をたたえ合っていました。
野球が国技のキューバは、多くの優れた選手が育っていますが、現在もアメリカの経済制裁の影響で、大リーグでのプレーを希望する選手の亡命が相次いでいて、解決に向けて両国の話し合いが続いています。

観戦に来た人たちは

大リーグのレイズとキューバ代表の親善試合には、主に首都ハバナ市内からおよそ5万人の市民が招待され、試合開始の4時間以上前から国立競技場に詰めかけました。
このうち20代の男性は「とても興奮しているし、この試合が両国の関係にいい影響を及ぼすことを望んでいる。大リーグの球団を見るのは初めてだが、すばらしい試合になると思う。今後も毎年、大リーグとキューバ代表の試合を行ってほしい」と話していました。
また、大リーグのドジャースの帽子をかぶったキューバ人の男性は「スポーツを含めた多くの分野でアメリカとの関係が改善しているのはいいことだ。キューバ人は全員、野球を愛している。きょうはどちらが勝つかではなく、いい試合をすることが大事だと思う」と話していました。
大リーグの球団が最後にキューバを訪れた、1999年のオリオールズ対キューバ代表の試合も観戦したという男性は「歴史的な出来事だ。こうした親善試合が再びキューバで行われるのはとてもいいことで、政策の異なる両国がお互いを理解することにつながる。キューバの野球選手はとても優れているので、亡命しなくても大リーグでプレーできるようチャンスを与えるべきだ」と話していました。