ウクライナ大統領 パイロット実刑判決でロシア非難

ウクライナ東部で戦闘が行われていたさなかに、ウクライナ軍の女性パイロットがロシア人記者ら2人の殺害に関わったなどとして、ロシアの裁判所が実刑判決を言い渡し、ウクライナ側は「見せしめの裁判だ」と強く非難して、両国の対立が一段と深まっています。
ロシアで勾留されているウクライナ軍の女性パイロット、サフチェンコ氏は、おととし6月、政府軍と親ロシア派が激しい戦闘を行っていたウクライナ東部のルガンスク州で、ロシア国営テレビの記者ら2人の殺害に関わったなどとして、殺人の罪などに問われています。サフチェンコ氏は無罪を主張していますが、ロシア南部のロストフ州の裁判所は22日、サフチェンコ氏に対し22年の自由剥奪の実刑判決を言い渡しました。
これを受けて、ウクライナのポロシェンコ大統領は声明を発表し、「認められない。侵略国によって行われた恥ずべき見せしめの裁判だ」と強く非難しました。そのうえで「サフチェンコ氏の起訴に関わったすべての人物に制裁が科されるべきだ」と述べ、両国の対立が一段と深まっています。
サフチェンコ氏を巡っては、去年2月のウクライナ東部の停戦合意に、すべての捕虜や拘束された人たちの解放が盛り込まれていることから欧米諸国も即時解放を求めてきただけに、反発が予想されます。