酒本友紀子
2016年3月24日03時00分
茨城大学の学生らが、被爆者の女性の半生を描いた紙芝居を完成させ、笠間市内で22日に初上演した。やけどの痕を隠し、結婚や出産に悩んだ日々を伝え、「戦争を忘れないで」という女性の思いを代弁した。
「茨城大学紙芝居研究会」が、3年前から戦争をテーマにした紙芝居づくりに取り組む。被爆者を取り上げたのは水戸市の男性に続いて2作目だ。今回は県生協連の依頼で研究会の2、3年生の4人が、栃木県下野市の高橋久子さん(83)に話を聞き、約1年かけて81枚にまとめた。
高橋さんは広島市内の高等女学校1年生だった12歳のとき、爆心地から約2キロ離れた練兵場で、勤労奉仕の草取り作業中に被爆。熱線で手足に重いやけどを負い、3カ月は寝たきり状態だった。父親も原爆で亡くした。結婚後、夫の仕事で栃木県に移り住み、8年前から語り部を続ける。
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