経営再建中のシャープが台湾・鴻(ホン)海(ハイ)精密工業への傘下入りを決めて、25日で1カ月となる。2月中にも発表されるはずだった最終合意が大幅に遅れたのは、鴻海がシャープの財務リスクを理由に正式契約を拒んでいるためだ。現在、出資額の引き下げなどシャープが不利になる買収条件へと修正が加えられている。両社は、円満決着するのか。4年前には出資交渉が破談になっただけに既視感を覚える状況にある。
「思った通りやなあ…」
今月22日夜、鴻海からの出資額引き下げの報道について、シャープ幹部の一人はこう語り、天を仰いだ。
将来発生する恐れのある多額の「偶発債務」の存在を理由に、鴻海は4890億円としていた出資額を、最大で2千億円引き下げることをシャープに打診。これにシャープ側が強く反発し、減額幅を抑える方向で交渉が進められている。
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