『科特隊出撃せよ』あらすじ
★放映日時 ： 昭和４１（１９６６）年７月３１日
ホシノ少年が海沿いにある城の古井戸から、妙な音がするというので、
アキコ隊員は彼と一緒に調査に出かけた。
警察官の話では、その井戸は３００年ほど前からあり、
城が敵に攻められたとき、海へ逃げるための道だったという。
だが、海沿いに水力発電所ができたことによって、
何処まで通じているかわからなくなったらしい。
一応、対岸の岬に出口の跡はあるようだ。
好奇心旺盛なホシノ少年は、その井戸の中に入ってしまう。
彼は懐中電灯を照らしながら、
妙な音がするのは風の振動が原因だと思った。
その瞬間、ホシノ少年は岩陰の隙間に大きな目を見つける。
何か得体の知れない生き物がいると気づき、一気に不安になった。
アキコ隊員はホシノ少年が心配になり、警察官の制止を振り切って井戸の中に入るが、
獣の鳴き声のような音とともに大きな振動がして、発電所の水道管が破壊されてしまう。
井戸の中でも多少の被害はあったものの、
２人は幸いなことに難を逃れ、出口へ続く道を見つける。
一方で、科特隊のアラシ隊員は、地震のような山崩れを不審に思っていた。
イデ隊員はアキコ隊員に連絡をするが、
まったく応答がないので、何かあったのではないかと思う。
隊長のムラマツは真相を確かめるために、
アラシ・イデ・ハヤタとともに現地に向かった。
ムラマツが水力発電所の職員に話を聞くと、彼は姿の消える怪物を見たと言った。
それからというものの、電力系統の出力が異常に低下し、
怪物に電気を吸われているようだという。
井戸に入ったアキコとホシノ少年は無事だった。
ムラマツは２人から調査内容を聞くが、急に停電が起こる。
送電所に事故が発生したためであった。
ムラマツはハヤタとアラシを送電所に向かわせ、
自身はもういちど水力発電所に行くことにした。
送電所では電圧が下がってほとんどゼロの状態だった。
アラシは故障が発生したのではないかと言うが、職員はそれを否定した。
すると、大きな鳴き声と地鳴りが響き、
電気トラブルを引き起こしていた犯人が現れる。
かれは触角で電気を吸っていたのだ。
そして、そのエネルギーによって姿を現す透明怪獣だった。
そして、次の狙いを、
全関東の６０％の電気を供給する第三火力発電所に定めていた－。
ハヤタ ： 黒部進
ムラマツ ： 小林昭二
アキコ ： 桜井浩子
イデ ： 二瓶正也
アラシ ： 石井伊吉
ホシノ少年 ： 津沢彰秀
登場怪獣 ： ネロンガ
脚本 ： 山田正弘
（敬称略）
感想
今回は大迫力の怪獣バトルだったので、名台詞はとくにありませんでしたが、
ちょっとビックリすることを発見しました。
アキコ隊員とホシノ少年が調査に向かった先は、小田原城みたいなんですよ。
言われてみれば、「なんとなくそうかなぁ・・・」という感じがするんですが、
この作品が撮影された当時と、私が行ったときは２０年以上の隔たりがあるので、
実際はどうだったのか、よくわかりません。
でも、古井戸の話は創作です。
戦国大名の北条氏が治めてた時代に、そんな井戸があったらとても興味深いですが。
物語としては、ホシノ少年の冒険譚です。
ネロンガは３００年以上も前からいて、ある侍に退治されたというのを、
よく彼は知っていましたね。
昔はこういった怪獣博士がいて、
ウルトラシリーズの放送直後にいろいろ説明してくれたものです。
また、CGなどのない時代に、
スタッフは細かい特撮技術で透明怪獣をダイナミックに表現しました。
わずか３０分の枠なんですが、映画を観ているような感覚でしたね。
科特隊の制服にも注目です。
（通常勤務モード）
（戦闘モード）
ウルトラシリーズには、数々の防衛チームが登場しますが、
制服が２パターンあるのは、科特隊だけじゃないでしょうか。
しかもブレザーの下に戦闘服を着ているんです。
このアイデアはとても面白いと思いました。
東京や関東地方の電気はちゃんと復旧できたのか、
すごく突っ込みたくなるストーリーでありました。