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フリーランスなんだから「自由」になろう!自然にクリエイティビティが沸き起こるスケジュールの組み方
Crew:フリーランス初心者向けのガイド本を読むと、常套句のように出くわすアドバイスがあります。それは「自分で決めた習慣に従ってワークライフバランスを保ちましょう」という教えです。
このアドバイスが度々繰り返される理由はわかるのですが、すべての習慣が同じように機能するわけではないのです。
通常のオフィスワークのスケジュールを採用すれば、時として険しくなりがちなフリーランス業への移行に対する不安も少しは和らぐかもしれません。そしてクライアント側も1日のうちでいつあなたに連絡がとれるのかわかりやすいでしょう。そして、その方がプロであることの証明にもなりやすいです。なぜなら未だに多くの人が、フリーランサーとはソファにパジャマで寝転がってだらだらとNetflix鑑賞しているというようなイメージを持っているからです。しかし、それでも私は「習慣を決めるべき」というアドバイスはフリーランス初心者に対してはまったくためにならないと感じています。
もしあなたがフルタイムのフリーランス業への移行を考えているなら、きっと今の仕事やキャリアに何か不満を感じているからだと思います。
それならば、なぜフリーランスになってまで今自分がやめようとしているワークスタイルをもう一度真似する必要があるのでしょうか?
誰だって、フリーランサーになるのは訳があるってもんです。それをもう一度考えてみませんか?
1. オフィス生活スケジュール
私が初めてフリーランス業を始めたとき、出来る限り普通のオフィスアワーに合わせたスケジュールを遂行するようにしていました。お昼休憩には1時間とって、「定時」が来るまでたとえクリエイティビティが沸き起こらなくても踏ん張って働きました。
結果として、この働き方が一番自分のクリエイティビティを発揮するのに苦労したやり方でした。よく、クリエイティブな仕事は朝にやるのが最適だなんて言いますが、それは私には当てはまらないと強く確信することになりました。
2. 遅めのスケジュール
自分は朝方の人間ではないという確信を持った私は、遅めの時間から仕事をするのが良いのではないかと思いつきました。午前中はなんでも好きなことをして、正午か午後1時から働き始めて夜6時〜8時に仕事を終えるというスケジュールです。最初は、みんなが日中働いている間に遊べる優越感もあって、このスケジュールがすごく楽しかったです。なので、しばらくはこの遅めのスケジュールでやってみようと思いました。
最初は、普通の人と違う遅めの時間に働くことで社会に反抗しているような気がして、このパンクな労働時間がお気に入りでした。
このやり方で生産性は上がりました。必ずしも良いことではありませんが、集中できて休憩を取る回数も減りました。しかし、同時にこのスケジュールは私から睡眠時間を奪うことになってしまいました。
いつも寝るのは夜中の2〜3時になってしまい、起きるのは仕事を始める時間になっていったのです。また、私のプライベートな社交にも悪影響を及ぼしました。友だちはみんな夕方から遊びに出かけたがりますが、私はそれを犠牲にして仕事を選ばなければいけないということが多々起こったのです。
もちろん、人生は必ずしもスケジュール通りにいくわけではありません。最初のうちはこのやり方で本当に上手くいっていましたが、私の仕事量が増えるにつれて仕事をさばくためにこの方法を諦めなければいけない日も何日かありました。しかし、最近で一番効率の良かった日を思い出すことで、また基本に戻ることができました。自分のやりたい方法でやって仕事を終わらせられなかったときもありますが、それは仕事を詰め込みすぎていたときで、単価を上げたりクライアントをいくつか切らなければいけませんでした。
私のスケジュールはフリーランサーとしての自分のワークライフバランスを計るバロメーターになったのです。
クライアント側のスケジュールとの折り合い
上記で私が発見した理想的な仕事スケジュールは、その名の通り「理想」です。
フルタイムのフリーランサーとして働いている人はみな、クライアントの要望によって理想のスケジュールが乱されることをよく知っているでしょう。
私の場合はラッキーで、ほとんどのクライアントはフリーランサーたちのイレギュラーな働き方を理解してくれているだけでなく、良い仕事をすれば納期も気にせず、やり方に干渉してくることもありません。
私はラッキーなことにニューヨーク市内にアパートを持つことができていますが、ニューヨークの部屋はすごく狭いです。なので、角に机を置くなどできません。というわけで、私にとって一番心地よく仕事がはかどる場所はソファの上です。
長時間働くとしたら、このやり方は適切でないのかもしれませんし、確かにこの働き方はプロっぽく感じません。 自分がこなしていた仕事が意味のあるものではないと感じることもありました。しかし、『Daily Rituals: How Artists Work(アーティストの日課)』という本を読んでいたら、アメリカの小説作家トルーマン・カポーティは寝転がっているときにしか小説を書かなかったということを知りました。
この方法が、あの有名小説『冷血』を書いた作家に通用するならば、確実にマーケティングコピーライティングやエッセイ書きにも十分通用すると思ったのです。
また、詩人のマヤ・アンジェロウは自宅作業をしたことがなく、いつも家の近くのホテルをオフィスとして使っていたこともこの本で知りました。こうすることで、いつ仕事を始めて、いつ仕事を終わりにするかをきちんと決めることができたそうです。それを参考にして、私も締め切り期限がタイトな案件があって集中したいときには、近くのカフェへ行って1日の仕事を始めることにしました。
一番大切なことは、どうやって働こうがどこで働こうが自分にとって合うやり方こそが一番正しいやり方なのだということです。
仕事の側面にそれぞれ違うやり方で取り組んでみることによって、私のビジネスが成長しただけでなく私もクリエイティブな仕事に従事するプロとして成長することができたのです。
私は自分の専門ではない、知識外で慣れていない分野の本や映画に触れるようになりました。もし私が「フリーランスとはこうあるべき」という既成概念にとらわれていたらやりもしなかったであろうフリーランスのプロジェクトにも今は積極的に関わっています。
仕事は私生活にも影響を及ぼします。その逆もまたしかりです。自分にぴったりな仕事のスケジュールを見つける旅は、私自身の知られざる新しい側面を見つけることにもつながりました。
私は「今日は何をしなければならないか?」と考える代わりに、「もし今日〜できたらいいな」と考えるようになったのです。
フリーランスの仕事に正しいも間違っているもありません。それこそがフリーランスの良いところであり、醍醐味です。そう、ルールはあなた自身が決めるのです。
なにかを習慣づけることが間違っていると言いたいのではありません。私が過去5年間に渡ってフリーランス生活を維持してこれたのは、紛れもなく習慣のおかげですから。でも、せっかくフリーになるのであれば自分の働き方やクリエイティブなひらめきが起こるプロセスを理解することは習慣を守るだけよりも意味があることだと思います。きっと、驚きの発見ができると思いますよ。
Let's put the 'free' back in freelancing: How to schedule around your natural creative flow | Crew
Danielle Small(訳:wasabi)
Photo by Shutterstock.
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