1年前から予見していた
来年4月の消費増税先送りと7月衆参ダブル選挙への流れが加速している。「増税先送りでダブル選」予想を繰り返し公言してきた私としては、このテーマは「いまさら感」もある。ここでまた書くのは気が引けるが、政治観察論として見ると面白いので、おさらいしておこう。
私が初めて増税先送りとダブル選予想をメディアで話したのは、昨年8月21日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44837)に書いたように、同7月12日放送のテレビ番組『そこまで言って委員会NP』である。
テレビだけだと証拠が残らない可能性があるので念のため、当時連載していた同17日発売の『週刊ポスト』コラム「長谷川幸洋の反主流派宣言」(http://www.news-postseven.com/archives/20150717_336635.html)にも書いておいた。
昨年7月といえば、安保関連法案をめぐって国会が大荒れで「再来年の増税がどうなるか」などマスコミはまったく注目していなかった時期だ。そんな中、なぜ私が「増税先送りでダブル選」と読んだかと言えば、景気の先行き不透明感が強まる一方、内閣支持率が低下していたからだ。
安倍晋三政権がもっとも注視しているのは、いつも景気動向である。
それは政権が成立して以来、変わらない。安保関連法案を「戦争法案」とレッテル張りしていた野党や左派マスコミは「安倍政権は戦争に夢中になっている」と勝手に思い込んでいるのだろうが、残念ながら、まったく勘違いだ。
当時もいまも変わらず、最優先の政策課題は「戦争」ではなく「デフレ脱却」である。「なんとか景気を良くしてデフレを脱却したい」と願っているのだ。
ここの理解を間違えると、政局の読み筋も間違える。それはそうだ。「首相が何を重視して政権を運営しているか」という出発点の理解がトンチンカンだったら、その先を読めるわけがない。それは当たり前なのに、野党も左派マスコミも大方の政治評論家たちもトンチンカンを続けている。
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