山崎啓介
2016年3月24日20時38分
塩分を一切使っていないのに、塩味を電気刺激で再現するフォークでおいしく食べられる。そんな料理のメディア向け体験会が24日、東京都内で開かれた。塩分を取れない高血圧患者らに食生活をもっと楽しんでもらう技術の可能性を探ろうと、医師や研究者らのグループが企画した。
フォークには電源が内蔵されている。料理を刺して舌の上にのせると微弱な電気が流れ、この刺激によって塩味を感じることができるという。電気の強さなどを調整することで酸味や食感も再現できるが、甘みについては苦手。人体への悪影響はないという。
この日提供されたのは、とんかつ。記者が恐る恐る料理を舌に運ぶと、少しぴりっとした感覚と苦みを含んだ塩味を確かに感じることができた。とんかつの肉からフォークを離すと、塩味が消えた。
企画名は「NO SALT RESTAURANT」。4月上旬に開く一般向けの体験会では、ハンバーグやガーリックライスなどのフルコースを塩分を全く使わずに提供する予定だ。電気味覚フォークを開発した東京大の中村裕美研究員は「電気を調味料として使える技術。『健康』と『食べたい』という両方の欲求を満たすことができる」と話している。(山崎啓介)
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!