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千日のブログ

難波千日前の千日と申します。難波リラクゼーションリンの美人セラピストに鼻の下を伸ばして一時は妻から離婚されそうになりつつも生還し、それきっかけでブログを更新し続けています。社会経済問題の硬派からエロスまで雑多なようですが、一本芯の通ったエントリーを心がけてます、どうぞよろしく。

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住宅ローン2016年以降の金利動向は今後どうなるか?わかりやすく解説します

マイホームとお金 マイホームとお金-住宅ローンと税金

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政府月例報告の下方修正→しばらくは今の低金利が続く

どうも千日です。2016年2月の日銀によるマイナス金利政策がトリガーとなって史上最低金利を更新している住宅ローンです。
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そして政府による3月の月例経済報告では、国内の景気判断を5カ月ぶりに下方修正しましたね。主に個人消費の低迷が続いて家計の消費意欲、企業の景気判断に弱気が見られた為です。
 
こういう空気感というのは、全体に波及します。実際にはそんなに悪くない状態ではあるんですけど、将来に不安を感じざるを得ないムードが支配的になっているんですね。
 
そうなると金利は上げたくても上げられない状況になって行く訳です。
 
今回のエントリーは、日銀のマイナス金利政策から銀行の住宅ローン金利の引き下げ、今後の金利動向についてわかりやすく解説していきます。
目次
 

日銀のマイナス金利政策とは

日銀のマイナス金利政策を一言で言うと、銀行が日銀に預ける預金の利息をマイナスにするという政策です。
 
全部の預金利息がマイナスになるのではなく、今迄日銀に預けていた預金の利息はそのままで、今後新たに預ける預金から金利をマイナスにするということです。
 
 

日銀の狙い

日銀がマイナス金利政策に踏み切った思惑は下記の様なものです。
 
  • 預金に利息を取られるなんて金融機関は嫌がるだろう
  • 金融機関が日銀に預けていたお金が企業や個人への貸し出しに回る
  • そのお金は個人の消費や企業の設備投資に活発に使われるだろう
  • 経済が活発化して物価指数が2%を超え、デフレを脱却できる
  • デフレを脱却したら長い間ゼロ金利としていた金利を上げよう
思惑どおりになった部分と、思惑どおりに行かなかった部分があります。
 
 

実際の市場と経済の反応

これに対して、実際の経済の反応はこうです。
 
預金に利息を取られるなんて嫌だと金融機関は考えました。

そこでまず、余剰資金の運用として、日銀と同等に安全で、すぐに投資出来て、金利も幾らかつく国債の購入に走りました。

多額の資金を持った銀行が一気に国債の買い入れを行ったため、国債の相場が短期間に大幅上昇して長期金利がマイナスになりました。
 
国債の価格が上がるとなぜ長期金利が下がるのか?それもマイナスまで行ってしまうのか?についてはマイナス金利で住宅ローンはどうなるか?分かりやすく解説します - 千日のブログでわかりやすく解説してます。
 
国債の金利がマイナスになってしまうと、個人はともかく利益を出さなければならない銀行はこれ以上国債を買えなくなりました。そりゃそうですよね。
 
そこで銀行は国債に次ぐ安全な投資として住宅ローンの獲得に乗り出しました。住宅ローンっていうのは銀行にとっては超優良融資案件なんですよ。
 
  • 物件に第一順位の抵当権の設定を受けるので利用者が返せなくなってもほぼ取りはぐれが無い。
  • マイホームは利用者にとっては生活の基盤なので、他の支払いや返済よりも優先させ、死にものぐるいで返済にコミットする。
 
ということです。
 
そこで銀行間の住宅ローン争奪戦が始まりました。まず三井住友銀行が2月の途中から金利を下げました。
 
他の都銀もそれに追随し、預金金利も下がりました。2016年3月には長期金利と10年固定金利を中心として史上稀に見る低金利となっています。
 
 
 

住宅ローン競争の激化がもたらしたのは借り換えの増加

ここまで金利が下がったのに、住宅はさほど売れなかったようです。銀行間の住宅ローン争奪戦がもたらしたのは『借り換え』の増加でした。
 
三井住友銀行など主要8行の2016年2月の借り換え申込件数は約2万8千件で前年比の約2.5倍でした。
 
つまり10年位前に住宅ローンを借りた人たちが、今の低金利の機会を捉えて金利の負担を軽くする為に今の金利水準でローンを借り換えたということです。
 
借り換えというのは、高い金利でA銀行から借りていた住宅ローンを返す為にB銀行から安い金利で住宅ローンを借りて一括返済するということです。
 
  • お金はB銀行からA銀行に動いただけ
  • A銀行は高い金利をもらえなくなる
  • B銀行は多額のお金を赤字覚悟の安い金利で貸す
 
いかがですか?『借り換え』が増えてもトータルで経済は活発化せず、むしろ低迷していくんですね。
 
 

『景気判断の下方修正』という現時点の政府の自己評価

マイナス金利によるプラス要因は住宅ローンの金利の低下をはじめとして個人や企業にお金が回りやすくなったことは確かです。
 
しかし
 
一方で、マイナス金利によって先行きの不安感を煽ったことも確かです。
 
  • 中国人を中心とするインバウンドの増加
  • 東京オリンピックによる地価の上昇や設備投資の増加
こういったプラス要因の中で、資金を借りやすい状況であるにもかかわらず以下のような不安感が拭えないんですね。
 
  • 所詮は一過性のものではないか?
  • オリンピックが終わったらどうなる?
 
皆が『そんな上手くは行かんよ』と慎重になっているんです。オリンピックに関しては新国立競技場の予算不足問題や、エンブレムのパクリ問題などで水が差されたのも少なからず影響してると思います。
 
将来の不安感による消費の『弱さ』がプラス要因を上回ってしまった。
 
これが政府の評価です。
 
 

2016年3月の月例報告

では、内閣府が3月23日に公表した月例経済報告 - 内閣府を見て行きましょう。
 
 
全体:このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続く
2016年2月にも「緩やかな回復基調」としていましたが、「このところ一部に弱さも見られる」の「一部」という文言を外しました。
 
全体として下方修正したという事です。
 
 
個人消費:消費者マインドに足踏み。おおむね横ばい
2016年2月までは「総じてみれば底堅い動きとなっている」という表現から一転して、表現を変えて来ましたね。
 
個人消費については明らかに減速したという事です。
 
 
住宅建設:おおむね横ばい
2016年2月も「おおむね横ばい」という表現でした。首都圏のマンション総販売戸数は緩やかに減少していますが、当面は横ばいで推移していくという判断です。
 
 
企業収益:非製造業を中心に改善傾向

2016年2月の企業収益は「改善している」でした。それが「非製造業」に限定され「傾向」という言葉が足されましたので、明らかに下方修正ですね。

 

企業の業況判断:おおむね横ばいだが、このところ一部に慎重さが増す
2016年2月の企業収益は「一部に慎重さが見られるものの、おおむね横ばいとなっている」でした。順序が逆になりました。
 
後半の方が強調事項なのでこれも若干の下方修正です。
 
 

まとめ

あくまで統計に基づく現時点の全体的な評価ですが、このような政府の発表もまた全体的なムードに影響するのは間違いないですね。
 
これを受けて、来年の2017年に予定されている消費税の増税消費税2017年4月から10%。景気条項をヌルッと削除の理由は霞が関の焦りか - 千日のブログも延期すべきじゃないか?という声も出ています。
 
今後何か大きな事象が発生しない限りは、今の住宅ローンの低金利が続く、続かざるを得ない。
 
というのが、千日の考えです。
 

以上、千日のブログでした。

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