ジカ熱の拡大は国際イベントが影響か

流行が広がるジカ熱のウイルスが中南米に持ち込まれたのは3年前の2013年で、スポーツの国際的なイベントの開催の前後に渡航者が増えた時期と重なったとする研究成果をブラジルなどの研究グループが発表しました。日本の専門家は「大規模な人の移動がウイルスの侵入のリスクを高めたもので、8月のリオデジャネイロオリンピックを前に現地に行く日本人も対策を徹底してほしい」と話しています。
ブラジルとアメリカなどの研究グループは、現在、中南米を中心に流行しているジカ熱のウイルスの遺伝子を分析することでいつウイルスが、ブラジルなど中南米の流行国に持ち込まれたのか詳しい時期を推定しました。
その結果、ウイルスが持ち込まれたのは、2013年の5月から12月にかけてとみられこの年の6月に開かれたサッカーコンフェデレーションズカップなどスポーツの国際的なイベントの前後に当時、ジカ熱の流行地だったフランス領ポリネシアやタイなどからの渡航者が増えた時期と重なっていました。
これについて感染症の問題に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「大規模な人の移動はウイルスが持ち込まれるリスクを高めると考えられる。リオデジャネイロオリンピックに向けて、日本からも多くの人が流行地へ行くと思うので、蚊に刺されない対策を徹底することが必要だ」と話しています。