アニメ映画祭で応募作の4割が未審査に

アニメ映画祭で応募作の4割が未審査に
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東京都が共催となって今週まで開催された「東京アニメアワードフェスティバル」で、コンペティション部門に応募された作品のうち、およそ4割にあたる357作品が組織運営を巡るトラブルから審査されないままとなっていたことが分かりました。
「東京アニメアワードフェスティバル」はアニメ制作会社などで作る日本動画協会などが主催する国際的なアニメーション映画祭で東京都も共催として運営費のうち5000万円を負担しています。
フェスティバルの実行委員会によりますとコンペティション部門の募集を担当していたディレクターとの間でトラブルがあり、当初、応募があった357作品を入手できなくなったということです。
このため別途、募集したおよそ550作品の中から優秀作を選び、今月21日のフェスティバル最終日に発表したということです。
NHKの取材に対し実行委員会は「ほかに方法がなかった。応募者からの苦情は来ていないので、理解してもらえていると考えている。クリエイターやファンにはご心配とご迷惑をおかけし大変申し訳ない」などとコメントしました。また、東京都観光部振興課の若林和彦課長は「このような事態になったことは大変遺憾だ。審査されなかった作品は来年のフェスティバルで審査されるよう、主催者に働きかけていく」と話しています。

別の映画祭の企画・制作に20年以上携わってきた「ぴあフィルムフェスティバル」の荒木啓子ディレクターは「映画祭はよい作品を発見することが大きなテーマでそこに最もエネルギーを使うので、こうした事態はこれまで聞いたことがない。作品は1つ1つが情熱を込めて作られており、応募を受け付けたのなら最低限、最後まで見なければ映画祭が成り立たないのではないかと思う」と話しています。