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「多文化家庭の子供たちの笑顔を返してください」

「多文化家庭の子供たちの笑顔を返してください」

Posted March. 24, 2016 07:31,   

Updated March. 24, 2016 07:38

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「多文化家庭の子供たちの笑顔を返してください」
「狭い部屋に一日中閉じ込められていた子供たちが、ここに来てから『本当にうれしい』と口にするのを見るたびに、嬉しくなる一方で胸が痛みます」

今年でオープン3年目を迎えたソウル九老区加里峯洞(クログ・カリボンドン)にある「地球村子供の町(地球村町)」。多文化家庭の子供たち約80人が通っているが、認可を受けることができず、「保育所」の代わりに子供の町という名称を使っている。

地球村町を設立した「地球村愛の分かち合い」のキム・ヘソン理事長(55)は、それでも最近は幸せだと思う。盛んに工事が行われている建物の3階を記者に見せながら、「2階だけでは子供たちをさらに受け入れることが難しかったが、これでひと安心できるようになった」と笑った。韓国ユニセフ委員会からの支援を受けて、建物をさらに広く使うことができるようになった上、屋上には子供たちが夢見ていた屋内の遊び場ができた。これまでは遊べるところがなく、アスファルトの車道に沿って、団体で散歩に行くのがやっとだった。

25年前から、外国人労働者の人権に関心を持ってきたキム理事長は、子供たちの劣悪な環境を目にし、地球村町を作った。共働き親の大半が、少量の食べ物を置いてドアを閉め、仕事に出かけたので、子供たちは狭い部屋の中で震え戦きながら、一日中両親を待った。このような現実に支援の手を差し伸べたかった。

政府の多文化政策導入から10年が経ったが、支援対象は限られている。地球村町を訪れる人たちは、韓国系中国国籍同胞同士が結婚したり、合法的に入国しても外国人労働者同士が結婚して、子供を産んだケースだ。月10万ウォン以上もかかる一般保育所はとうてい通えない。子供の韓国語が下手で、適応できないことも多いからだ。このような立場に置かれた子供たちは、少なくとも数千人と試算される。

地球村町の子供たちは、韓国語と中国語の両方ができる。中国同胞教師らは2ヵ国語を交互に使いながら、子供たちを教えている。キム理事長は、「数年後、子供たちが中国に帰っても、うまく適応できるように言語教育に力を入れている」と話した。

地球村町が政府から支援を受ける金は「ゼロ」だ。それにも拘わらずキム理事長は、「外国人不法滞在者を量産し得る」という理由で、複数の市民団体から抗議を受けている。それについて氏はこう聞き返した。「単一民族という幻想のため、すでに現実となった多文化社会に背を向けるのでしょうか。欧州の人種テロなどの災害を防ぐためにも、この子供たちには絶対に教育が必要です」