韓国在留日本人女性の支援施設を紹介

太平洋戦争の前後に韓国に渡り、日本に帰国することができなかった女性たちを受け入れている、韓国にある福祉施設を紹介する講演会が秋田市で開かれました。
韓国南部にある慶州ナザレ園は、太平洋戦争の前後に朝鮮半島出身の男性と結婚して韓国に渡り、その後、夫と離婚や死別し、行き場を失った日本人女性を40年以上受け入れ続けている福祉施設です。
秋田市では23日、この施設やそこで暮らす女性について知ってもらおうと施設の支援者が講演会を開き、50人余りが集まりました。
講演会では韓国に渡った女性たちが、戦後、反日感情が高まるなか、お金が無かったり、日本に身寄りが無かったりして帰国できず、苦労を重ねたことなどが紹介されました。
また、施設を設立した韓国人の男性が、父親を旧日本軍に殺されたにもかかわらず、日本人女性に罪は無いとして支援を続けたことなども紹介されました。
秋田市の70代の女性は、「施設や女性たちのことは知らなかった。韓国の人々が日本人女性たちを支援していると聞き、日韓の政治状況が悪いときでもやれることはあるのだと感じた」と話していました。
主催者の松島啓昇さんは、「韓国に日本人を助けてくれた人がいると知ることで、日韓の交流が深まると思う。今後も多くの人に伝えていきたい」と話していました。