見上げる人がちっぽけに見えてしまうほどの上の物体は、世界最大の航空機「Airlander 10」。今回、このAirlander 10が数フィートではありますが初めて地上から浮上しました。同航空機は現在イギリスのベッドフォードシャー州で開発が進められています。
このAirlander 10は全長が92メートル、幅44メートル、高さ26メートルの世界最大の航空機です。重量は20トン。「ボーイング747-8」の全長約77メートルや宇宙船まで載せられるソビエトの「An-225 ムリーヤ」の全長84メートルに比べると、確かにそれを上回っています。
さっきから航空機航空機って、これはどう見ても飛行船じゃないか!と突っ込みたい方も多いと思いますが、Airlander 10は4つのディーゼルエンジンを備えた「ハイブリッド飛行船」に相当します。ハイブリッド飛行船は「内部のガスの浮力と、エンジンと機体で発生させる揚力で飛ぶ」、ある意味航空機と飛行船の中間のような存在です。またAirlander 10はヘリコプターのように空中に静止することもできます。
機体には130万平方フィートのヘリウムガスを充填し、時速92マイル(時速約150キロメートル)で飛行することができます。また、水面や雪上など様々な地形への着地が可能です。使用用途としてはモニター業務や研究、レスキュー、運搬、乗客運送、さらにはレジャー用途も視野に入れられています。
Airlander 10はイギリスの航空会社のHybrid Air Vehiclesが当初米軍向けに開発していましたが、コストカットなどによって計画が中断していました。しかし、イギリス政府などからの投資により、とうとう機体の完成にこぎ着けたというわけです。
航空機と飛行船の両方の性質を備えるAirlander 10、その乗り心地を一度試してみたいものですね。
Image Credit: Independent
■Airlander 10 airship: World’s largest aircraft gets off the ground
http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/airlander-10-airship-worlds-largest-aircraft-gets-off-the-ground-a6946201.html