「日本は韓国を見習え」と、さんざん書いてきた評論家や新聞記者は、いま何と説明するのだろうか。
最近、韓国の就職情報サイト「ジョブコリア」と、アルバイト情報サイト「アルバモン」が共同実施した就活生を対象に実施したアンケートの結果が報道された(中央日報、16年3月11日)。
87・4%が「機会さえあれば海外で就労をしたい」と回答したというから驚きだ。
誤解してはいけない。企業に勤めて海外勤務をしたいというのではない。初めから移民して海外企業に勤めたいというのだ。
その理由としては「福祉と勤務環境が整っている」が最も多く、次いで「韓国ではこれ以上就職が見込めない」だった。昔から移民志向が強い国柄だが、就活生の9割近くが「韓国からの逃避」を希望しているとあっては、この国の将来がますます暗く見えてくる。
それにしても、海外就労希望の理由の最初に「福祉」うんぬんが出てくるのは、若い就活生としていかがなものか。もしや、彼らの意図は、福祉が充実した外国で失業保険と生活保護を…。いや、私の想像は不純すぎるのだろう。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。