【コラム】多くても少なくても批判される韓国の外貨準備高

 韓国の外貨準備高は3650億ドルで、08年を大幅に上回り、国際通貨基金(IMF)も十分な水準だとみている。しかし、国際決済銀行(BIS)基準では適正レベルに満たないとの指摘がある。BISの基準は外国人証券投資の3分の1が流出することを仮定しているためだ。現在外国人保有株式の時価総額は420兆ウォン(約40兆1700億円)だ。

 個人的には外貨準備が不足しているとは思わない。危機の際には株価が暴落し、ウォンも急落するため、時価総額自体も大きく目減りする。その結果、流出する額も小さくなる。外貨の保有コストも無視できない。しかし、韓国が万が一にも「危険リスト」に含まれかねないことが懸念材料だ。長期的に外貨準備高はあらゆる基準を全て満たすことが望ましい。状況が一段落した今、外国人株式投資まで考慮した外国為替戦略を再考すべきではないか。また、2年前から所得重視の成長を掲げ、株式市場を下支えするため、外国人の投資をさらに誘致しようとするムードが存在した。外国人株式投資が増え、外貨準備高の上積みが必要となるならば、戦略の順機能と逆機能を見直すべきだ。

 実際に資本移動は矛盾だらけだ。外貨準備高が少なければ危機が指摘され、多ければ為替操作だと非難を受けるから腹も立つ。しかし、「そんなことはあり得ない」というのではなく、「万が一」を考える態度が求められる。危機の際には理性よりも恐怖心との戦いになるからだ。

崔洽(チェ・フプ)チョソンビズ・ウィビ研究所長
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