2008年の金融危機当時、韓国経済を当惑させたのは株式市場の外国人投資家だった。同年10月、外国人は毎日ほぼ3000億ウォンのペースで株式を売り浴びせた。
1998年のIMFショック(通貨危機)では、短期対外債務が多かったことから、骨身にしみる国恥を経験した。そのため、我々はそれなりに十分準備した。当時の外貨準備高は約2400億ドルで、短期対外債務(1700億ドル)を償還してもなお余る水準に達し、むしろ外貨準備高が過多だとする主張もあった。しかし、対外債務には含まれない外国人株式投資をさほど考慮しなかったことが禍根だった。98年には株式市場がほとんど開放されていなかったため、株式投資資金が不確定要素にはならなかったが、08年の金融危機では意外なところからドル資金が流出し、不安をかき立てた。当時約1900億ドルに達していた株式市場の外国人保有株式の時価総額は巨額の存在に見えた。その上、08年7月から韓国の経常収支は赤字に陥っていた。一部の外国メディアや投資銀行が韓国を危険国リストに含め、ウォンの対ドルレートは1ドル=1500ウォンまで下落した。結局、米国による通貨スワップで事態が沈静化した。事実、リーマン・ブラザーズの破綻以降これまでに株式市場から流出した外国人の投資資金は約45億ドルで、国が危うくなるレベルではなかった。しかし、恐怖というのは得てしてそんなものだ。
年初から続いた世界の金融不安はやや落ち着きを取り戻した。しかし、不完全燃焼状態で事態が収拾されており、気がかりな点がある。中国で通貨危機の可能性が指摘されているかと思えば、香港ドルに対するヘッジファンドの攻撃もあった。大幅に減ったといっても、3兆ドルを超える外貨準備を抱え、資本規制も容易な中国が本当に危機に陥る可能性は低いが、国際投機資本が次のターゲットを探すことが問題だ。