以下に書くことは読み手の都合で考えた場合、自分と同じ位の認識レベルの人にとっては今さらだし、それ以上の人にとって不十分ということになる。そもそも私の認識や前提とする知識が間違っている可能性も否定できない。なので個人の思考をアウトプットした日記として、または知の反復作業として読むことを推奨する。
映画メディアの場合が主。テレビ放送ならば「特別編」などとして、普段の放送より長くしたケースが多い。「刀語」のように1話をおよそ1時間、1ヵ月ごとに放送という変則的なスタイルもある。ただ、あまりに変則的だったのか、1話毎の期間が空きすぎていて視聴者がついて行きにくいのか、或いは放送するテレビ会社がそれを受け入れ辛かったのか、このスタイルはあまり流行っていない。
時間は長い上、映画ならば作品に対して直接お金を払って貰うということもあり、制作体制は大掛かりかつ高いクオリティのものが多い。テレビで放送する「特別編」の場合でも、特に気合が入れて作られることが多い。
これで作られるアニメは、原作があるにしろ普段はテレビで放送されているものにしろ、1話完結型のエピソードが多い。「亡国のアキト」のような各章に分けて、章ごとに映画メディアなどで提供という特殊なケースもある。
また、原作やアニメ制作会社側などの事情から、予定されていた話数で完結させることができず、かといって2期にするには帯に短し襷に長し。ということで、後に改めてこのスタイルで提供する場合もある。ただ、映画メディアでそれをやる場合は賛否両論の声が大きい(基本、金を払わないで提供してきたものを、最後の最後に要求するという提供側のスタイルが利己的だという批判。或いは「正当な対価を、作品そのものに対して支払いたい」という消費者からは比較的シンプルだとして受け入れられている。もちろん、その他にも様々な理由での批判、賞賛の声がある)
30分とはいってもOPやED、間に挟まれるCMなども含まれるため、実質的な内容はこれより短い。また、内容を増やすためにOPやEDをカットしたり、逆に前回のあらすじなどで尺を稼ぐケースもある。そのため、「実質的な内容」という観点から見た場合アニメによって、また話数によっても幅は大分ある(なので便宜上それらの幅は考慮せず、かつ後のカテゴリについても大分ザックリしたカテゴリ分けで所感を述べる)。
最もポピュラーなスタイルで、個人的にパッと思いつく有名な作品を例に挙げるだけでもキリがない。
実質的に20と数分とはいえ、その長さのものを一定以上のクオリティで、かつ週に1回のペースで作ることはよほどのことがない限り物理的に困難とされ、実際には1話放送の前からストックを貯めておき、1週間以上かけて1話を作ることが普通らしい。
つまり一応の理屈の上では、このストックと現在進行形で製作しているものの話数の差が縮まると、「できなかった」ということだけは避けるためにクオリティを下げて、作業効率を上げる必要が出てくるということになる。他の仕事にもいえることだが、納期を厳守することは社会では基本で、信用に関わるからだ。まあ、その結果としてクオリティが下がったのなら、それはまた別の問題として対処する必要はあるだろうけれども。
これで放送されるアニメは、ストーリーやキャラクター、舞台設定など「非日常的な要素」が多分に含まれた内容であることが多い。日常のものを何の加工もせず切り取っただけではエンターテイメント性が低く、それを1話に20分以上観せ続けられても、視聴者はついて行きにくいからだ。もし、それでもエンターテイメントとして成立するならば、それはスタッフたちがそれだけ優れているともいえる。
こちらも「実質的な内容」という観点で見た場合、実際の時間は減っている。私がパッと思いつくのは「よんでますよ、アザゼルさん。」あたりだ。
放送される際は他の15分アニメとセットで放送されていたので該当しないかもしれないが、ネット配信の際は分けられているし、別々のアニメなのだからこちらで扱う。恐らく制作しているところとかも違う……よな? あと「ドラえもん」など、1話完結型でそれが10~15分くらいのものを「別々のアニメ」と広義的に解釈するなら、それもこちらに含んで述べてもいいかもしれない。
時間が減ったのだから、その分クオリティが上がったり、それが安定したりする。……というわけでもないらしく、15分で作られることを前提としたスタッフの配備、そしてスケジュールを組んだりするケースもあるようで、30分と比べてクオリティが安定しやすいとは一概にいえないようだ(ただ理屈の上では、「時間の短さ」というアドバンテージだけで考えるなら制作するための労力は下がるわけで、仮に全部の作品を把握できた場合、傾向としてこちらのほうがクオリティは安定しているということはあるかもしれない。ないかもしれない)。
これで作られるアニメは1話完結型のエピソードだったり、次回に引っ張ることはあまりない傾向。「のび太が道具を使って調子に乗ったままその1話は終わり、何らかの因果応報オチで終わるのは次回」みたいなのは基本的に避けられるということだ。仮にあっても、数話もかけることはない。
随分ぞんざいなカテゴリ分けだが、短いアニメは便宜上ここに全て含めて述べさせていただく。私が真っ先に思い出してしまったのは「チャージマン研!」だが、これから述べる話の例としては不適当なので、「チャージマン研!」のことは忘れてくれ。
放送する媒体や形態は最も多様で、番組コーナーの一部として放送されることも多い。ネット配信だと関連商品の宣伝を前後に挟んだり、製作会社が同じなので配信したものとは全く違うアニメの関連商品のCMが挟まれたりもする。30分アニメのネット配信だとCMがなくなりやすいということも考えると、この逆転現象は中々に面白い(まあ、そもそもネット配信するのとテレビで放送するのとは事情や立場が違うから、考えてみれば当たり前なのだが。それを踏まえてなお、短いアニメの方がその傾向なのが面白い、という意味だ)。
短い内容のものを週に1回のペースであげるなら、1話完成させるのは上記のものよりは理屈の上では楽といえるはずで、その分クオリティは安定しやすい傾向(ただ、これは15分の部分で述べたことと似たようなケースで一概にはいえない。それでも割合としては増えるんじゃないだろうかという推測)。内容が短いので視聴者的には「物足りない」と思われるかもしれないが、「腰を据えて観なくていい」という良い側面もある。コスパに優れているといえ、最近はこのスタイルでアニメが作られるケースも増えてきた印象だ。
これで作られるアニメは、15分のとき以上に1話完結型の傾向。15分で書いたことと理屈はほぼ同じだが、これだけ短くなってくると、「その短い中でエピソードを起承転結しっかり作る」ということの困難さが顕著になりやすい。これを解決しやすくするためには、元となる原作がある場合は1話完結型が主になるだろう。或いは、起承転結がコンパクトで調整しやすい、4コマ漫画などが選ばれやすい。もしオリジナルなら、キャラクターや舞台設定などを好き勝手に弄くっても咎められないので、融通が利かせやすい(このことは他のカテゴリでもいえることだが、短いアニメは1話完結型が多い傾向なので特に利点となる)。
以上だ。