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 ひじきに鉄分が含まれているというのは、本当か――。こんな疑問を抱いた茅ケ崎市の小6、竹山輝(てる)君(12)が、夏休みの自由研究でひじきから鉄を抽出する実験を行い、全国小・中学生作品コンクールの理科部門で最高賞に選ばれた。22日に同市から特別表彰を贈られた竹山君は、「分からないことが分かった瞬間が本当に楽しい。将来は科学と宇宙にかかわる仕事をしたい」と目を輝かせた。

 きっかけは、母親の有里さん(42)とのやりとり。あまり好きではないひじきやホウレンソウが食卓に上ると、「鉄分が豊富で体にいいから食べなさい」と言われる。「見えないし、磁石にくっつかないのに本当だろうか」と、鉄を抽出してみることを思いついた。

 インターネットなどで調べながら、ひじきやホウレンソウから水分や有機物を除き、残った無機物から鉄を取り出すことを計画。乾燥させた後に燃やし、灰をふるいにかけて磁石で集める方法で、2キロのひじきやホウレンソウから、約0・2グラムの鉄を得ることに成功した。初めはひじきの燃えかすが固まり、もう一度水に溶かして乾かすなど試行錯誤し、「最後に磁石で鉄が『ピーン』と立ち上がった瞬間は、本当に感激した」と話す。