経営再建中のシャープが台湾の鴻海精密工業の傘下に入る契約の最終合意が持ち越されている問題で、将来的にシャープの負債となる恐れのある潜在的な財務リスクへの対応策について、鴻海と銀行団が大筋合意したことが分かったと19日付の読売新聞朝刊が報道した。取引先銀行がシャープに対し、新たに最大3000億円の融資枠を設定するという。

  リスクが実際の損失になった場合、シャープはみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行から必要額を借りられるという。また銀行団は3月末の約5100億円の借金返済を1カ月程度猶予することも検討するとも伝えた。

  シャープは2月25日、臨時取締役会を開き、郭台銘(テリー・ゴウ)会長が経営する鴻海の買収を受け入れることを決定した。しかし、鴻海は同日夜、シャープが送付した「新たな重大情報」について精査する必要があるため、状況が十分に把握できるまで買収の正式契約を延期すると発表、最終合意は持ち越されている。

  シャープの広報担当、関喜文氏はコメントしなかった。みずほフィナンシャルグループと三菱UFJフィナンシャル・グループの広報に対し連絡を試みたが、週末のため回答はなかった。鴻海の広報担当にコメントを求めたが、回答は得られなかった。