経営方針を巡り、創業者と経営陣が対立していたクックパッドは24日、東京都内で定時株主総会を開いた。創業者の佐野陽光氏ら9人の取締役選任議案が可決された。佐野氏側が提案したメンバーが6人を占める。もっとも今後の経営方針について明確な説明はなく、先行き不透明感は残った格好だ。
午前10時に始まった総会は過去最長の3時間におよび、出席株主数も657人と過去最多となった。冒頭で議長の穐田誉輝前社長は「株主には心配をかけた」と陳謝。佐野氏も騒動後初めて公に姿をあらわし、株主の質問にこたえた。
「佐野氏は経営の前線にたつのか」「具体的に何がしたいのか分からない」。出席した株主から質問が相次いだ。佐野氏は「新体制はこれから決める」「現時点では言えない」と答えるにとどまった。
総会直前の22日に社外取締役の要求で執行役を解任された佐野氏だが、24日の取締役会で改めて執行役に選ばれた。もっとも総会では、社外取締役の西村清彦氏が「執行役解任という形で(佐野氏の行動に対する)反対意見を表明した」と発言。取締役会内の対立が解消されていない様子もうかがえた。
株式市場では「今後の経営方針がみえない。経営の混乱を早期に解消する取り組みが不可欠」(外資系証券アナリスト)との指摘があった。