インドのタクシー市場の覇権をめぐる争いが先鋭化している。米ウーバーテクノロジーズは、インドで地場競合のオラキャブの不正工作により営業を妨害されたと訴え出た。
■「偽アカウントで配車要請」と訴え
米サンフランシスコに本社を置くタクシー配車アプリ大手のウーバーはデリー高裁への申し立てで、オラの従業員が40万件超の偽の配車要請をしてウーバーのドライバーに無駄足を踏ませたとしている。訴えによると、オラ側はそのために9万3000件の架空アカウントを作っていた。
ウーバーは過去9カ月間に10億ドルをインドに投資しているが、偽の配車要請で業を煮やしたドライバーに約8000ドルの解約金を支払わなければならなくなったと述べている。
ウーバーの申し立てによると、偽の配車要請は「稼働できるタクシーを減らし」てオラに客が流れることを意図したもので、ウーバーとドライバーに減収を引き起こし、ドライバーに「不満と不安」をもたらしたという。
ウーバーはオラに対し、「意図的で違法、不正で悪意のある不当な妨害」により生じた740万ドルの損害賠償を求めている。
バンガロールに本社を置くオラは声明を発表し、訴えは「事実でなく根拠を欠く」と述べた。不正な手段を用いたことはなく、「訴えを全面的に否定する」としている。
■配車要請、オラ付近から発信か
しかし23日、チャンディーガルに本社を置く三輪タクシー配車アプリのジュグヌーが、オラに対する訴えを申し立てた。ジュグヌーの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のサマル・シングラ氏は、800件の架空アカウントから集中的に2万件の配車要請があり、ドライバーたちの時間の空費と収入の減少につながったと述べている。
ジュグヌーは、問題の配車要請のほぼ全てがオラのオフィスに近い場所から出ていたことを突き止めた。うち2カ所はデリー首都圏、1カ所はインド南部だ。
「我々はオラに対して相応の行動を取ることを考えているが、オラがこの行為をやめれば、こちらも行動を差し控える」と、シングラ氏は声明で述べている。
このような妨害工作をめぐる訴えは、自動車の世帯普及率が6%にとどまるインドにおけるウーバーやオラなど交通サービスの競争激化を物語っている。
ウーバーとオラは、顧客と、多くが2社両方に登録しているドライバーをめぐって猛烈に争っている。
ウーバーは裁判所への申し立てで、偽の配車要請の一部は「ドライバー・パートナー」たちの連絡先を知る狙いで、ドライバー側はその後に「悪意」の電話やテキストメッセージを受けたとしている。
ウーバーによると、そのような嫌がらせの結果、昨年9月から今年2月までに2万3000人超のドライバーが同社を離れたという。架空アカウントを作るために使われたメールアドレスの一部はオラ従業員が持つものとみられ、多くの配車要請がオラのオフィス周辺から出ていた。
オラ側は、ウーバーの訴えは逆恨みではないかと示唆している。オラが先月、ウーバーが大気汚染のひどい首都へのディーゼル車タクシーの乗り入れを禁じたデリー高裁の命令に背いていると、裁判所に申し立てていたからだ。
By Amy Kazmin
(2016年3月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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