EU首脳会議 難民送還の対策案 合意に向け調整

EU=ヨーロッパ連合は17日から首脳会議を開き、急増する難民や移民の数を抑えるため、経由地のトルコからギリシャに渡る難民たちをトルコに送り返す対策案について協議し、合意に向けた調整を続けています。
EUは、17日から2日間の日程で、ベルギーのブリュッセルで首脳会議を開き、急増する難民や移民の流入を抑えるため、トルコ経由でギリシャに渡ってくる難民や移民をトルコに送り返す対策案について協議しました。
初日の協議で、各国は、難民を送還する代わりに、トルコにとどまるシリア難民のうち合わせて7万2000人をEU各国で受け入れるほか、トルコ国内の難民のための支援金を7500億円余りに引き上げる案などについて話し合いました。
難民のトルコへの送還については、国連などから強い懸念が示されたことから、各国は、送還に対する不服申し立ての機会を保障するなど、難民の権利に配慮する措置を盛り込む考えです。
一方、トルコが、この対策を実施する条件として、トルコのEU加盟に向けた交渉の加速を求めていることについては、一部の国が依然、反発しているとみられます。
会議のあと、フランスのオランド大統領は「多くの課題は残っているが、いい道筋をたどっている」と述べ、合意への期待を示しました。
18日の会議にはトルコのダウトオール首相も参加し、ぎりぎりの調整が続く見通しです。