スイス検察当局 FIFA前事務局長の捜査開始

FIFA=国際サッカー連盟を巡る不正事件で、スイスの検察当局は、ブラッター前会長の側近だった前事務局長が在任中に不正を繰り返していたとして、背任などの疑いで捜査を開始したと発表しました。
スイスの検察当局が捜査を開始したのは、FIFAの前事務局長ジェローム・バルク氏で、関係先を捜索するとともにバルク氏に任意で事情を聴取したとしています。
バルク氏は2007年からFIFAの事務局長を務め、財務やワールドカップなどの大会の準備を担当し、ブラッター前会長の実質的なナンバー2として活動してきました。しかし、FIFAの倫理委員会の調査で、バルク氏がワールドカップのチケットの販売などで不正を繰り返していた疑いが強まり、FIFAはことし1月、バルク氏を解雇するとともに、先月サッカーに関わるすべての活動を12年間禁止するなどの処分を言い渡しています。
スイスの検察当局によりますと、バルク氏は、在任中の不正でFIFAに損害を与えた背任などの疑いがあり、FIFAの倫理委員会が指摘した旅費の不正使用などについても捜査しているとみられます。
FIFAを巡っては、ブラッター前会長も不正な支出を行った疑いで捜査を受けていて、前のトップとナンバー2がともに当局の捜査を受ける異例の事態に発展しています。