News Up 学生服値上げ その理由とは?

News Up 学生服値上げ その理由とは?
この春、中学や高校に進学する人は合わせておよそ200万人。新入学生の多くが新たに買うことになるのが学校の「制服」です。ところがことしは「制服」の価格が軒並み上がっています。その理由を探ってみると意外なところにありました。
「制服値段が上がったらしい…なんで!?私が今度通うところだけかな?」「2月から制服値上げ学校指定なんて買う気失せる」ネット上では新入学シーズンを前に制服に関する書き込みが増えています。
その制服ですが、この春は、各地で値上げの動きが広がっています。今週、取材した東京都内の専門店では取り扱っているうちの9割の制服が値上げとなっていました。値上げ幅は5%から10%ほどでした。総務省の統計によりますと公立中学校男子の制服の価格は多くが、2万円台から4万円台。仮に元の価格が3万円で10%の値上げとすれば3000円上がります。
店を訪れた保護者に聞いてみると「3年間着るものなので、出費はしかたがない」といった意見の一方で「高校と中学に入る2人の子どもがいるので結構な金額になり、正直きびしいです」といった声も聞かれました。

値上げ相次ぐ学生服

「制服値段が上がったらしい…なんで!?私が今度通うところだけかな?」「2月から制服値上げ学校指定なんて買う気失せる」ネット上では新入学シーズンを前に制服に関する書き込みが増えています。
その制服ですが、この春は、各地で値上げの動きが広がっています。今週、取材した東京都内の専門店では取り扱っているうちの9割の制服が値上げとなっていました。値上げ幅は5%から10%ほどでした。総務省の統計によりますと公立中学校男子の制服の価格は多くが、2万円台から4万円台。仮に元の価格が3万円で10%の値上げとすれば3000円上がります。
店を訪れた保護者に聞いてみると「3年間着るものなので、出費はしかたがない」といった意見の一方で「高校と中学に入る2人の子どもがいるので結構な金額になり、正直きびしいです」といった声も聞かれました。

値上げの理由は?

専門店によりますと、ここまで上がるのは久しぶりだという今回の値上げ。取材を進めると制服の生地の価格の上昇が値上げの要因であることが分かってきました。
大阪に本社がある制服の生地をつくる会社によりますと、生地価格の上昇は、海外の動向が大きな要因だといいます。学生服は、一般的に、ポリエステルと羊毛でつくられます。このメーカーでは羊毛をオーストラリアなどから輸入していますがその価格が生産国の事情で上がっているといいます。理由は世界的な羊肉人気。食用の羊肉を輸出する需要が高まり農家が羊肉の生産に力を入れるようになった結果羊毛の生産量が減少。このため、価格が上昇しているそうです。
さらに、もうひとつの事情は染料の価格の上昇だといいます。染料は主に中国から輸入されていますが現地では、環境対策として規制が強化されそのコストが、染料の価格に転嫁されたといいます。また、学生服は長い間、着られるようにとスーツなどに比べて丈夫なつくりになっているほか少子化や制服の多様化などのため大量生産になじまず価格を下げるのが難しいそうです。
このメーカーが生地の値上げをするのは8年ぶりで「ウールや染料が上がった影響があまりに大きすぎて、企業努力ではいかんともしがたく、苦渋の決断として、値上げさせていただきました」と話しています。

値上げの中で、リユースの動きも

制服の値上げが相次ぐなか、人気を集めているのが「リユース」、つまり「おさがり」の活用です。
高松市にある制服の専門店では、卒業生から買い取った制服を手直しして、新品の3~4割の価格で販売しています。ことしは、値上げもあったこともあり客足が伸びているそうで、店内には、新入生の保護者のほか在校生の保護者の姿も。
大学生から小学生まで、3人の子どもを育てる女性は、この春で高校2年になる息子のブレザーを買い求めていました。高校に入学後、身長が一気に伸びたため入学時に購入したものが着られなくなってしまったためでした。こうしたリユースの動きは各地で行われています。
今も、昔も、青春の思い出に欠かせない学校の制服。希望や期待を胸に学校生活をスタートさせる新入生にとって必需品なだけに、値上げを巡ってさまざまな動きがでていました。