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【社会】

警察から児相への虐待通告 最多3.7万人 昨年、初の3万人台

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 昨年一年間に虐待が疑われるとして、全国の警察が児童相談所に通告した十八歳未満の子どもは前年より八千九十七人(28・0%)多い三万七千二十人だったことが、警察庁のまとめで分かった。統計を取り始めた二〇〇四年以降、増加を続けて過去最多を更新し、初めて三万人を超えた。

 このうち、生命に危険がある緊急時や夜間などに警察が保護した子どもは、三年連続増加の二千六百二十四人に上る。警察庁の担当者は「社会的な関心の高まりから積極的な通報につながった。警察も早期発見、保護に努めている」と話している。

 摘発件数、人数は七百八十五件、八百十一人で、被害者は八百七人となり、いずれも統計が残る一九九九年以降で最多。

 通告児童のうち、暴言を吐かれるなどの心理的虐待が二万四千百五十九人で、六割以上となった。そのうちの約七割の一万六千八百七人は子どもの前で配偶者に暴力を振るうなどの「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」で、五千百三十八人(44・0%)増えた。

 警察庁の担当者は「DV被害自体が六万件以上と増加したため、面前DVも増えたとみられる」との見方を示した。

 摘発事件の被害者のうち殺人などによる死者は過去最少だった前年より六人多い二十六人だったが、ピークだった〇一年の六十一人に比べ半数以下で減少傾向。担当者は「深刻な事態になる前に介入できた結果」としている。

 摘発人数のうち82・1%を占めたのは身体的虐待の六百六十六人で、被害者との関係では実父二百九十五人、実母百六十七人。14・4%に当たる性的虐待で最も多かったのは養父・継父の五十五人だった。

 

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