保護者以外に引き渡し死亡 学校の過失認める判決
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東日本大震災で宮城県東松島市の小学校に避難し津波に巻き込まれて死亡した住民3人の遺族が訴えた裁判で、仙台地方裁判所はこのうち保護者以外の人に引き渡して自宅に帰宅して亡くなった児童への対応について、学校側の過失を認め、東松島市に賠償を命じました。弁護士によりますと、震災の津波被害を巡る裁判で、子どもの引き渡しの過失を認め賠償を命じた判決は初めてです。
宮城県東松島市に住んでいた住民2人と小学生1人の合わせて3人は、5年前の震災で、避難所に指定されていた野蒜小学校の体育館に避難したあと、津波に巻き込まれて死亡し、遺族が学校の避難誘導などに問題があったとして東松島市に賠償を求めていました。
裁判で学校側は、津波が学校まで到達するとは予測できなかったなどと主張したのに対し、住民側は津波に巻き込まれることが予測できるのに体育館に避難した児童を保護者以外の人に引き渡して帰宅させたなどと主張しました。
24日の判決で仙台地方裁判所の大嶋洋志裁判長は「児童が家に帰るためには津波の予想浸水域を通らなければならず、津波に巻き込まれることは予測できた」と指摘しました。そのうえで「安全が確認できないかぎり事前に登録されていない人に児童を引き渡してはならず、注意義務に違反した過失が認められる」として学校側の過失を認め、市に対し2600万円余りの賠償の支払いを命じました。
一方、体育館に避難して死亡した住民の遺族の訴えは退けました。
弁護士などによりますと、宮城県と岩手県の津波の被害で子どもの引き渡しの過失を認め、賠償を命じた判決は初めてだということです。
裁判で学校側は、津波が学校まで到達するとは予測できなかったなどと主張したのに対し、住民側は津波に巻き込まれることが予測できるのに体育館に避難した児童を保護者以外の人に引き渡して帰宅させたなどと主張しました。
24日の判決で仙台地方裁判所の大嶋洋志裁判長は「児童が家に帰るためには津波の予想浸水域を通らなければならず、津波に巻き込まれることは予測できた」と指摘しました。そのうえで「安全が確認できないかぎり事前に登録されていない人に児童を引き渡してはならず、注意義務に違反した過失が認められる」として学校側の過失を認め、市に対し2600万円余りの賠償の支払いを命じました。
一方、体育館に避難して死亡した住民の遺族の訴えは退けました。
弁護士などによりますと、宮城県と岩手県の津波の被害で子どもの引き渡しの過失を認め、賠償を命じた判決は初めてだということです。