◇赤レンガの駅舎が美しい台中駅
思いおこせば2年前。初めての台湾滞在は台北だった。日本人宿に宿泊し、帰国してからも酒を交わす友達もできた。しかし台北という街そのものは、なんとなくしっくりこなかった。たった一度の滞在で決めつけるのは尚早だが、人間には五感というものがある。これを旅に当てはめると、理屈ではなく街にビビッと来るか来ないかというものがあると思っている。
さらにあの時の僕は少々弱っていた。台湾、ベトナム、タイというアジア周遊の真っ最中。しかも実質初めての1人旅だった。それなら気分が高揚しておかしくないはずのに、仕事の悩みを引きずったまま渡航してしまった。そこへきて海外ひとり旅のコツを掴めないまま毎日が過ぎていった。
その後旅は続き、アジアだけで9カ国を訪れた。僕は当面アジアしか渡航しないことを決めているから、今後訪れる国の数は劇的に増えない。その代わり訪れる街を増やしたいと思っている。数の問題ではなく単に見たい街が多いのだ。
今回台中への滞在を決めたのも、その見たい街とビビッと来る五感からのようなものだった。タイでいうならバンコクよりもチェンマイのような、首都ではない街が気になるこの頃だった。
◇今回搭乗したジェットスターGK11便
日本から台中への直行便はない。台北か高雄を経由し、新幹線などの交通機関を乗継ぐしかない。僕が利用した飛行機はLCCのジェットスターだ。東京ー台北往復を、昨年末に開催された「ありがとうございまスターセール」で購入した。運賃は諸税込で14,710円だった。根気よく探せばさらに安い航空券を探せるかもしれなかったが、3月の連休時を考えると頷くしかなかった。
◇桃園空港と台中の位置関係
今回の旅のテーマは「ゆるり旅」。肩肘の張らない台湾で、さらにゆるりと滞在する。その場所が台中だ。しかし、その前に「ゆるり」といかないことがちょっとだけあった。それは飛行機の時間だ。東京・成田空港の出発時間は午後10時。飛行時間は約4時間だから、台北・桃園空港の到着時間は時差を1時間戻して現地時間の午前1時だ。これが台北滞在ならタクシーで移動となるが、台中行きの交通手段はすでに終わっている時間帯。冷蔵庫のような寒い空港で就寝するしかなかった。
泊まるだけの為に用もない台北へタクシー移動はできない。僕の中にある貧乏性が顔をだす。その為には寒くて寝床の少ない桃園空港で夜明けを待つしかなかった。そして安価な航空券には、そうは簡単に「ゆるり」と過ごさせてくれない、超えなければならない高い壁があるのだった。
台湾行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。
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