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 認可保育施設などに入れない待機児童問題をめぐり、政府・与党は小規模保育所の定員枠を緩めて保育の受け皿を増やす検討に入った。4月時点で入れない待機児童の緊急対策として月内にも打ち出す方針だ。

 小規模保育所は認可保育所より小さい面積で設置できるため、空き店舗やマンションの一室を活用して短期間で整備できる。土地や物件を確保しにくい都市部を中心に、待機児童の8割以上を占める0~2歳児の受け皿として整備が進められている。

 定員の上限は19人だが、政府・与党は20人以上の子どもが入れるように規制を緩めることを検討。定員枠の増加分は数人ほどが軸になりそうだ。緩和する対象を待機児童が多い地域に限定したり、期限を設けたりすることも考えている。

 待機児童の対策は、「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名のブログをきっかけに、親からの要望が強まっている。自民党と公明党は今週中にも対策案をまとめ、厚生労働省などはこれを踏まえて緊急対策を打ち出す方針だ。ただ、保育職員の人数を増やさずに入所できる子どもの数を増やせば、保育職員の目が行き届かなくなるといった質の低下を招く恐れがある。(伊藤舞虹、池尻和生)

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 〈小規模保育所〉 原則0~2歳の乳幼児を対象に預かる定員6~19人の認可保育施設。昨年4月に始まった「子ども・子育て支援新制度」で新たに認可対象となった。保育職員の全員に保育士資格が求められる認可保育所と異なり、職員の半数以上が保育士であれば認可を受けられる場合がある。昨年4月時点で東京都、埼玉県、大阪府などの都市部を中心に1655カ所が認可され、約2万5千人分の受け入れ枠がある。