タイトルのようなことをいうといかにもわざとらしく感じられるでしょうが、私が以前から抱いていた不満として「たいていのタスク管理ツールを開発したい人は、ほとんどのその自覚もなく、プロジェクト管理ツールを作ってしまう」ことでした。
タスク管理ツールというのは、「タスクリスト」を管理してくれるもののはずです。いくつかのタスクが並んでいたとき、その並びには、十分な意味が、自然と理解されなければならない。でも、世の「タスクリスト」はほとんどの場合、そういうふうにはなってないのです。
「タスクリストを整理する」とは?
たとえばOmnifocusとかNozbeとかToodledoとかTodoistなどいろいろありますが、このどれも、ただひたすら「タスクを洗い出しては並べる」だけでは、あまり意味のわからないリストができあがります。項目が多くなればなるほど、わかりにくいものになっていくでしょう。
そこで「整理」しますが、その整理というのがいつもいつも「プロジェクト単位にまず分ける」ことを意味するのです。そうしなければいけないという決まりはないはずなのに、そうするようにできています。
プロジェクトというのは「タスクの目的」だからです。「原稿を書く」というのは「タスク」ですが、その目的は「原稿を書く」ではない。「本を作る」などが目的です。これが「朝食を食べる」という「タスク」であれば、その目的も「朝食を食べる」なのですが。
だから「タスク」を「プロジェクトごと」に「整理する」と、すべてがうまくいくように思えてしまうし、またそれが自然の発想と言うことになるわけです。
次のようにです。
- 本を作る【プロジェクト】
- └□編集さんと打ち合わせ
- └□本を書く
- └□校正する
- └□知人に本を書いているから買ってねと知らせる
こうなって初めて「タスクが管理されている」わけですが、これはつまり、タスクをプロジェクトに属するものとして、区分けしたということです。
「タスクが管理できている」とは?
このようなツールを使い込んでいくと、ふつうの人はやがて「タスク」を思い出したとき(気になったとき)「それはどのプロジェクトに属するものか?」と考えるようになっていきます。
どのプロジェクトにも属さないようになると仕方がないので「IN-BOX」などに入れる事になり、IN-BOXのタスクがたいていは多くなります。
それは「週次レビューなどでIN-BOXをゼロにするから大丈夫」だということになるわけですが、毎週毎週1時間以上かけて週次レビューするほどライフハックな人ばかりではありませんし、いざIN-BOXをゼロにしてみようとするとまたしても「このタスクはどのプロジェクトに入れておけばいいのだ?」という問題に再会するだけのことも多いのです。
それに「まともな人なら」ば、たとえば奥さんから「忘れずに後でコンビニに行って牛乳を買ってきて」といわれたとしても、NozbeやOmnifocusのIN-BOXなどには入れないでしょう。「まともな人」はそれらのツールをプロジェクト管理ツールのように感じてしまっているため、「コンビニで牛乳買う」のをNozbeなどに入れるのは、あまりに仰々しく感じてしまうからです。
それにたぶん、不安になります。「コンビニで牛乳」は大きな用事ではありませんが、「今日中に忘れずに」買わなければなりません。でもそれはIN-BOXに入れるだけなので、「いつやるか」をNozbeが教えてくれるわけでもありません。「週次レビュー」で見つけたときにはおそらく手遅れになります。
OmnifocusやNozbeやTodoistのような高機能の「タスク管理ツール」には、こういう問題に対処するためにリマインダーや「コンテキストでリストを見せる」という機能も備わっていますが、コンテキストで作られたリストがしっかりと機能するということは、あまり多くありません。
理由は、人の手が入ってないからです。たとえば「買い物」というコンテキストを付けておいたとしても、そこに「牛乳」「新しいシステム」「プリウス」などといいうリストができたとして、それに意味があるとは言いがたいものになります。少なくとも今のところは、「整理」をすることができるのは人間です。
タスクが意味のあるものに並ばなければ、タスクが管理できているとは言えないのです。プロジェクトごと(タスクの目的ごと)にタスクを束ねれば、確かにそのリストは意味のあるものになります。だからこそ、たいていの高機能のタスク管理ツールは、プロジェクト管理ツールになっていくのです。だから、「牛乳を買う」のような、それ自体が目的となっている純然たる「タスク」がむしろ、行き場を失うのです。
プロジェクトのタスクだけを管理したいという人には、プロジェクト管理ツールはいいでしょう。ちょうど、予定だけを管理すれば仕事になるという人には、手帳がなにより役に立つのと同じことです。
私たちには、手帳(カレンダー)という「予定管理ツール」があり、「高機能タスク管理ツール」という「プロジェクト管理ツール」がありますが、ふつうの「タスク管理ツール」が見あたらない。「チェックリスト」を管理するツールはありますし、リマインダーもあります。
でも「タスク」を管理するようにタスクに特化されてはいないのです。
4月9日(土) 記録をもとにリピートタスクを最適化する
『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』(佐々木正悟・著)の内容をベースに、タスクシュート時間術、すなわち仕事を予定どおりに終わらせるための時間管理の考え方とツールを駆使した具体的な方法をお伝えします。
今回のテーマは、
-記録をもとにリピートタスクを最適化する
です。
タスクシュート(TaskChute・たすくまの総称)の根幹を成す要素の1つであるリピートタスクについて掘り下げます。
リピートタスク、すなわち繰り返し行うタスクは、繰り返し行うがゆえに一週間、一ヶ月といったスパンで見たときに相対的に大きな時間を占有することになります。
言い換えれば、リピートタスクにかける時間を最適化することで、それ以外の活動に使える時間を増やすことができるのです。
やりたいことや好きなことに思う存分時間を使うためには、それらに心おきなく没頭しても支障が出ないような「備え」が欠かせません。その「備え」を淡々と積み上げるうえで主役となるのがリピートタスクです。
リピートタスクが充実するほどに、時間活用の精度がアップします。野球でいえばバッドの芯でボールをとらえられるようになるイメージです。
- 一日のスケジュール調整に時間がかかって困っている方
- 増えすぎたリピートタスクを見直したいとお考えの方
- 限られた時間をもっと有意義に活用したいとお考えの方
好評いただいている個別相談の時間もご用意していますので、知識としては理解できているとは思うものの、なかなか実践に結びつけられず苦戦している、という方は、ぜひこの機会にブースターとしてご活用ください。
本日時点で、残り3席ですので、ご検討中の方はお早めに。
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