遺産分割前の預貯金引き出し 最高裁大法廷で審理へ

遺産を分割する話し合いが終わる前に預貯金の一部を引き出せるかどうかについて、最高裁判所は、15人の裁判官全員による大法廷で審理することを決めました。過去の判例では、話し合いが終わる前でも引き出せるとされていましたが、見直される可能性が出てきました。
この裁判は、およそ3800万円の預貯金や不動産を残して亡くなった女性の親族2人が、預貯金も含めて遺産を分割する話し合いをすべきかどうかを争ったものです。
過去の判例では、遺産の分割の話し合いがまとまる前でも、預貯金については法律で定められた相続分を金融機関から引き出せるとされてきました。
一方、相続に詳しい専門家によりますと金融機関の実務では、全体の分割のしかたが決まらないうちに預貯金だけ引き出されるとトラブルの元になるとして、引き出しに応じない場合があったということです。
これについて最高裁判所は、15人の裁判官全員による大法廷で審理することを決めました。
大法廷は判例の変更が必要な場合などに開かれるもので、遺産分割を巡るこれまでの判例が見直される可能性が出てきました。