「韓流支援事業」などの名目で、文化・技術分野を対象とする韓国政府からの支援金を受け取った業者が、支援金を横領したとして、検察が捜査に乗り出したことが、21日までに分かった。
ソウル中央地検特捜3部(チェ・ソンファン部長)は、韓国コンテンツ振興院(以下、振興院)による3Dコンテンツ支援事業者に選ばれた2社が、人件費を水増しする手口などにより、政府からの支援金数億ウォン(数千万円)を横領した容疑について、捜査を進めている。
検察によると、3Dコンテンツとシステムを製作する上場企業K社とR社は、2010年、少女時代やスーパージュニアなど韓流スターのコンサートを3D映画化する事業の支援対象業者に選ばれた。だが両社は、当該事業に実際に従事していない人を帳簿に記載する手口などにより、振興院をだまして数億ウォン台の支援金を受け取った疑いが持たれている。この事業の規模は当初、24億ウォン(約2億3100万円)とされたが、途中で失敗に終わったため、振興院は10億ウォン(約9600万円)以上の支援金をどぶに捨てた形となった。
また両社は同じころ、15億ウォン規模の3Dコンテンツ製作業者にも選ばれていたが、これに関しても政府の支援金を横領した疑いが持たれている。
韓国コンテンツ振興院は、音楽や映画、ゲームなどのコンテンツの製作や、バーチャルリアリティー(仮想現実)などの先端技術の研究に取り組む業者に対し、毎年2000億ウォン(約190万円)以上の支援を行ってきた。
検察は最近、振興院の関係者たちを参考人として呼んで事情を聴き、政府からの支援金を受け取った3-4社の横領容疑についても内偵を進めているという。
一方、振興院の職員たちが、政府からの支援金を支給する業者を選定する過程で、業者側から接待を受けた事実が、監査院と文化体育観光部(省に相当)による数回にわたる監査で明らかになった。これにより、検察の捜査が振興院内部の不正へと及ぶ可能性も浮上している。