よく言われる仕事において優秀な人の定義は、
論理的思考力ができる、コミュニケーション力が高い、
豊富な専門知識を持っている、といったことが挙げられると思う。
確かにそれらはケースバイケースでは正しいと思う。
しかし、最も仕事において忘れてはいけないことがあると思う。
「優秀な人」とは「目的に対して手段を柔軟に選び、実行する人」
もう結論を言ってしまって、終わった感があるが、
ケースバイケースで求められる「目的」に対して、
「手段」を適切に選びとり、実行できる人こそ優秀な人だと思う。
簡単な例で「資料を10部プリントアウトする」
といったことを上司から頼まれたとしよう。
「優秀な人」がまず依頼者に聞くこと。
それは「どこで使う資料ですか?」だ。
このプロセスは「目的の確認」に該当し、巷では「前提条件の確認」と呼ばれる。
それによりタスクの履行者は、依頼者の求めている「要求」を確認する。
そしてその目的が例えば、
「社長の出席する会議で、来期の予算計画をプレゼンする」であったとする。
そうすると、社長が短時間で意志決定しやすいようカラーで見やすくしたり、
上司が発表しやすいように、ホッチキスでとめるなどの「気を利かせる」ことができると思う。
図で表すとこのようになる。
常に「最上位にある目的」を確認し、要求を満たせるようにする。
この考え方はも少しレベルが上がり、クライアントとのやりとりや、
事業計画の策定に至るまで幅広く応用ができる。
「優秀でない人」とは目的が分からず、手段を適切に選べず、ズレた行動をするか、ミスが怖くて実行しない人
先程述べた「優秀な社員」の対義概念として、「優秀でない人」も挙げておいた。
とりあえず要求されたら、そこで前提を確認せず「コピー10部」ということに囚われ、
言葉の通りコピーを10部とる。
場合によってはそこに自分の解釈が介在し、なぜか8部コピーしたり、
そもそも「間違えているかも」と不安になり、実行をしないなどがある。
何を隠そう、昔の僕だ(笑)
僕は典型的な「優秀でない状態」であったので、必死で相手の要求が満たせるように努めた。「自分の世界」を脱し「相手の世界」をイメージすることで、目的を満たしやすくなってきた。(もちろんまだまだだが)
論理的思考力ができて、コミュニケーション力が高く、豊富な専門知識があっても、目的を満たせないとダメ
「優秀な人とはどんな人か?」
答えは繰り返すが「目的に向けて、最適な手段を取れる人」であり、
言葉を変えると、自分の仕事が誰にどう影響するのかを考える「想像力」のことであると思う。
この本質から外れ、今「優秀でない状態」であるにも関わらず、
論理思考やコミュニケーション力、資格や英語の勉強に逃げることは、
何より自分の弱さから目を向けているようで自身が一番辛いと思う。
いま「優秀でない人」の状態なら、いち早く「優秀な人」になれるよう、
「自分の仕事が及ぼす影響」を考える「想像力」をつけて欲しいと思う。
自戒を込めて。共有までに。