ソウル中央地検特捜4部(チョ・ジェビン部長)は、2008年に光化門の復元工事を行った際、文化財庁が工事に使う目的で支給した金剛松26本のうち22本のみ使用し、残る4本を横流ししたとして、大工のシン・ウンス容疑者(74)を横領罪で略式起訴し、罰金700万ウォン(約67万円)を求刑した、と20日発表した。
検察によると、シン容疑者は横流しした金剛松の代わりに、自ら経営する材木店で保管していた松の木を光化門の復元に使用していたことが分かった。検察は、シン容疑者が横流しした金剛松について、江原道襄陽郡のポプスチ渓谷などで伐採した直径70センチ以上の最高級のもので、時価1198万ウォン(約115万円)に上ると説明した。
シン容疑者は警察の調べに対し「(支給された)松の木26本のうち4本は材質がよくなかったため、代わりに材質のよい松の木を使った」と供述した。だが検察は「専門家たちと共に確認したところ、(横流しした)4本の松の木は、ほかの22本と同様の、材質が最も優れているものだった」と話した。
シン容疑者は検察の調べに対しては「大規模な建物の柱になる松の木を、2-3メートルずつ切って使うのはもったいないと思い、もっとましな用途に使うつもりで保管していた」と供述したという。だが検察の関係者は「独断で松の木を横流ししたのは明白な違法行為だ」と話した。
「数千年かけて育ち、切り出されても数千年生き続ける」といわれる金剛松は、昔から王の命令なしに伐採することのできない貴重な木だった。光化門復元に使われた金剛松を伐採する際にも、山林庁の職員たちが「御命です! この金剛松は大韓民国史跡第117号、景福宮光化門の復元工事に使うことを命じる!」と叫んでから切り出した。