蹴球探訪
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(3月16日)
【大相撲】琴奨菊3敗、綱消滅 豪栄道の投げにゴロリ2016年3月23日 紙面から
◇春場所<10日目>(22日・エディオン アリーナ大阪) 綱とり場所だった琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=は大関対決で豪栄道のすくい投げに屈して3敗目。今場所後の横綱昇進が絶望的となった。大関稀勢の里は横綱鶴竜を逆転の小手投げで破り、10連勝で単独首位を堅持した。横綱白鵬はかど番の大関照ノ富士を寄り切って1敗を死守。11日目に稀勢の里と対決する。横綱日馬富士は関脇豊ノ島に押し倒され、7勝3敗となった。関脇嘉風、小結栃煌山はともに負け越した。 琴奨菊は豪栄道にもろ差しを許すと、上体が伸びたところをすくい投げで転がされた。綱とりが絶望的になった。土俵、花道、通路と、何度も悔しさを押し殺そうとするかのように唇をかんだ。隠岐の海、稀勢の里に負けた時は支度部屋で何度も雄たけびを上げ、自らを鼓舞していたが、悲願の横綱昇進がほぼ消滅した状況を察したのか、この日は絶叫することなく風呂場へ向かった。 報道陣の問いにも最初は無言だった。9日目の稀勢の里戦で負けた影響があったか? との質問でようやく口を開いた。「勝つやつが強いね。(相手を)正面に置けなかった」 前日の敗戦ショックが少なからず心を揺さぶった。前夜に電話をかけた師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「最初、声のトーンがちょっと低かった」と明かした。稀勢の里戦では立ち合いで動かれて何もできなかったのに、朝稽古ではなぜか「めっちゃ体が張っていて」。ハンマー投げの動きでこわばった体をほぐそうと、10キロあるバーベルのプレートにチェーンを巻き付けた「特製器具」を手に取った。時計回りと反時計回りに1度ずつ回すはずが、間違えて同じ方向に2度回転させた。「(稀勢の里戦の)尾を引かずに」と前を向いたが、心と体の歯車が微妙に狂っていた。 ◆理事長「苦しい」痛すぎる3敗目に八角理事長(元横綱北勝海)は「苦しいよね」と綱とりは厳しいとの見方を示した。前提になる2場所連続Vにも「つぶし合いはあるだろうけど、ちょっと脱落するのが早かったよね」と大関らしかぬ戦いぶりを嘆いた。 場所中、白鵬の言葉に琴奨菊の目が止まった。「横綱の記事を読んだけど、横綱は天命、宿命、運命って書いてあった。選ばれし者しかなれない」と綱への思いをはせていた。今場所は巡り合わせが悪かったが、「結果が出ないのは弱いから。また強くなったらいいんだ。体じゃなくて気持ち。しっかりリフレッシュして残り頑張るんで」と後ろは振り返らない。綱とりの望みがほぼ失われたが、大関としてのプライドを持って終盤戦を戦い抜く。(永井響太) PR情報
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