清原被告“薬抜き”で幽体離脱!?…元ボクサー川崎タツキさんが自らの体験もとに語る
覚醒剤取締法違反で起訴され、保釈中の清原和博被告(48)は22日、千葉県松戸市の総合病院から転院した都内近郊の医療施設で治療を行った模様だが、姿は見せなかった。覚醒剤をやめて約1か月半、清原被告は現在どのような状態なのか? 薬物中毒から立ち直り、現在は薬物問題などをテーマに講演活動を行っている元ボクサーの川崎タツキさん(43)は自らの経験を元に、「幽体離脱をしているような状態だった」と明かした。
保釈以降、18日の午後に松戸市内の病院の病室窓から顔をのぞかせたのがテレビカメラにキャッチされてから、一度も姿を見せていない清原被告。21日に転院したとみられる医療施設にはこの日、数社の取材陣が集まったが、清原被告は姿を見せることはなかった。
前の病院では持病の糖尿病の治療を受けたが、転院先の施設では本格的に薬物依存症の治療に専念することになる清原被告。治療は、カウンセリングなどから始めるもようだ。2月2日の逮捕直前まで覚醒剤を使用していたとみられ、“薬抜き”の期間は、約1か月半となったが、違法薬物にどっぷりと漬かりながらも、そこから抜け出した者だけが持つ視点から、川崎さんが清原被告の現在の状況を推測した。
川崎さんの場合、薬物をやめてから1か月半というのは精神科病院を退院し、沖縄の薬物依存症回復施設「ダルク」へ移った時期。「病院では独り言をブツブツ言って『宇宙と交信してる?』と言われていましたが、沖縄ではそれはなくなりました。ただ、心と体が完全に離れていた。幽体離脱をしているとでも言うんでしょうか」。誰かと話す自分の姿を外から見ている感覚があったと振り返った。
さらに「自分の場合はその(1か月半たった)頃は、死にたいと思ったりすることもあった。でも、それが急に怖くなったりして『やっぱり生きたい』と思ったり…」。精神面は個人差が大きいそうだが、関係者は清原被告も逮捕のショックと後悔からうつ状態にあるとしており、精神的に不安定であることが予想される。
一方、肉体面については「清原さんも、今ごろは慢性的な疲労とだるさが出ているのでは」。確かに、18日に捉えられた清原被告は、逮捕直前のギラついた雰囲気はなく、ややほおがこけた感じ。白髪交じりの無精ひげで、不安そうな顔つきで「番長」と呼ばれた面影はなかったが、それも倦怠(けんたい)感からとも考えられる。
ただ「今の時期は人生においても、精神面でもどん底だと思うが、ダルクでは『どん底まで落ちた方がいい』という考え方をする。もう上がっていくだけです」と川崎さん。前を向いて更生への道を進んでいくことを願っていた。
◆川崎 タツキ(かわさき・たつき)本名・竜希。1972年4月3日、東京都足立区生まれ。43歳。87年に傷害事件を起こして少年院へ入所。88年に出所後、暴力団の構成員となる。92年ごろに覚醒剤などの薬物を覚え、重度の薬物中毒に。96年、自殺未遂を機に更生を図る。00年に草加有沢ジムからデビューし、7連続KO勝ち。06年にスーパーウエルター級の東洋太平洋タイトルマッチに挑むが9回TKO負け。08年に現役引退。