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コールセンターの電話営業で一番大事なKPIは「接続率」: 接続率を上げるための3つの施策

インターネットサービスとしては珍しく、習い事サービスの「サイタ」では新規申込の電話受付を2014年に開始しました。そのあたりの詳しい経緯はこちらの記事で。

要望を聞いて習い事をオススメ、Cyta.jpがコンタクトセンター設置で2倍の売上

コールセンターをオペレーションの中核にする、という大きな判断でした。コールセンター設置以来、中でも、電話営業(アウトバウンド)の成約率をどうやって引き上げるかが最も大きな課題であり、ここではそのための施策を紹介します。

※コールセンターから顧客に電話をかけるのが「アウトバウンド」、顧客からコールセンターに電話をかけるのが「インバウンド」です。

※「コールセンター」というとヘルプデスク的な受け身な業務をイメージする人が多いので、社内では「コンタクトセンター」と呼んでいます。

前提として:サイタの申込の流れ

最初に体験レッスン(無料)を申し込んで頂くのですが、まずこの画面で名前と電話番号を入力して頂きます。

ここで「無料体験のお申込み」ボタンを押して、完了です。これだけです。

顧客から申込が入り次第、サイタのコールセンターから電話をかけます(アウトバウンド)。お電話で詳細をご相談して、顧客が合意したら「成約(CV)」となります。「無料体験のお申込み」ボタンを押した時点ではまだ成約していません。

コールセンター業務を設計する上で、「無料体験のお申込み」ボタンを押した時点での「ユーザーの気持ち」を理解するのがとても重要で、後述する接続率施策は全てこの「ユーザーの気持ち」と前後の画面遷移が前提となっています。

※入力フォーム項目の劇的な少なさと、サイタのコールセンター設計はセットです。その設計の意図と効果はまた今度の機会に。実際は複雑なアルゴリズムを設定していて、電話でお話しせずに申込も可能なのですが、今回は電話オペレーションのことだけ書きますね。

「スクリプト」より「接続率」が大事

成約率を引き上げるためには、「スクリプト」(=営業トーク)が一番重要と思われがちですが、実は「接続率」の方が重要です。

成約率(CVR)は以下の通り算定できます。

成約率(CVR) = 電話接続率 x 接続時成約率

「電話接続率」は、コールセンターからかけた電話が顧客につながってお話できるかどうか。 「接続時成約率」は、電話で顧客とお話したときの成約率です。

スクリプト(営業トーク)、スタッフの営業力ももちろん大切ですが、まず取り組むべきは、施策次第で数字が大きく変わる「接続率」です。

要は、電話がつながるかどうかが勝負の分かれ目です。せっかくの営業力も、電話がつながらなければ意味ありません。

接続率を向上させるために、あの手この手でいろいろトライを重ねてきましたが、最終的にこの3つが重要だ、というところに落ち着きました。

  1. 全力ですぐに電話する
  2. 架電回数と時間帯
  3. SMS

「接続率」施策その1: 全力ですぐに電話する

申込が入ってから、2分以内に電話をかけること(2minコール)を目標にしています。 こんな感じで、2分以内に架電できた割合(2minコール率)を数値管理しています。

2minコールが大事な理由は2つあって、申込から2分を経過してしまうと初回架電接続率が劇的に低下します。

  1. 顧客が(申込作業をしていたので)電話をとれる状態にある
  2. 申込直後で熱意が高い(気持ちがあったまってる)

2min率が下がると、成約率は低くなるし、(電話がなかなかつながらなくて)業務も増えるし、いいことありません。 高い2min率を達成できるかどうかは、スタッフの意識だけでなく、シフト配置や時間帯別の業務設計が影響してきます。

「接続率」施策その2: 架電回数と時間帯

お申し込み頂いたお客様に、つながるまでいつ何回お電話をおかけするか。これは本当に難しいです。架電回数を増やすと迷惑に感じるお客様もいらっしゃる一方で、こちらからの電話を待っているお客様もいらっしゃいます。

サイタでは、ユーザーの行動に影響を 与える新しい施策を出す都度、こんな感じでn回目架電での接続率や成約率等を検証して、いまも架電回数/タイミング等を微調整しています。

2回目以降に架電する時間帯もいろいろ試行錯誤しましたが、「ランチタイム」と「夕方」に落ち着きました。

ここで重要なのが、架電が重なるピークタイムのオペレーション設計です。架電回数を増やすほど、同時に顧客からの折り返し受電も増えるので、ピークタイムの業務負荷が高すぎると顧客からの折り返し電話を受電できなくなってしまいます。

せっかくの折り返し電話はなんとしても受電したいので、ここがオペレーション設計の腕の見せ所です。

「接続率」施策その3: SMS

架電後、つながらなかった場合に1度だけSMSを送信しています。

このSMSの目的は、「いまお電話したのはサイタです」と申し込んでくれた人にお伝えすることにあります。

留守電もありますが、(留守電をきっちり確認する人からすると驚きなことに)3割の人は知らない番号からの留守電を聞いてくれません。そこで、SMSの出番なわけです。

アカウント開設時の本人確認に使われることが多いSMSですが、実はSMSは強力なプッシュメディアです。アウトバウンド電話業務にとってなくてはならないものとして、サイタでは活用しています。

ちなみに、SMSのサービス事業者は、大手でいうと、Twilio、メディア4u、Nexmoといったところがありますが、サイタではメディア4uを採用しています(いつもありがとうございます!)。

SMSサービスは各社で仕様が結構違っていて、単純に価格比較はできません。 比較すべき要素は、送信者表示、到達率、ユーザーの返信可否、通信キャリアとの直接網、などなどあって、サイタではメディア4uの仕様が一番フィットしました。

※ちなみに、別のプロセスではTwilioを採用しています。詳しくはこちらで。 Twilioを使った待ち合わせ専用ダイヤルシステム

おわりに

こんな風にユーザーの気持ちを考えながら、エンジニア、デザイナー、サポートスタッフが一緒になってシステム、デザイン、オペレーションをセットで設計して、レビューして、大胆に変更していくのがコーチ・ユナイテッド社の文化です。一緒に働きたい!というエンジニアデザイナーのみなさま、ぜひ御連絡をお待ちしています!

それから、この記事に興味をもっていただけた方は、いいねとかシェアとかしていただけると、もっと会社のノウハウをがしがし書くぞ!というモチベーションにつながるので是非お願いします!

@tkiyama

新しい「学びのカタチ」を世の中に広めていきたいエンジニアwanted!

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